日本語の「便所飯」とは、トイレの中で食事をすることを指す言葉だ。この奇妙な癖を持つ人は少数派ではない。ある調査によると、日本の若者の7%がトイレにこもり一人で食事した経験があると回答した。東京大学法学院の男子トイレでは、「トイレ内での食事を禁ずる」という張り紙がされており、早稲田大学等の大学のトイレでも同様の落書きが見られる。他人との食事を嫌うこの行為が、コミュニケーション能力の低下を反映している。
日本の学生、特に男子の多くは教師を目にしても見なかったふりをするか、緊張しながら挨拶をするかで、気軽に話をすることはめったにない。若者のコミュニケーション能力の低下は近年、日本で関心の高い社会問題となっている。日本はアジアで最も早く現代化を実現した国家だ。現代化は都市化、人々の生活水準の向上を意味しており、同時に社会構造、ライフスタイルの変化を意味している。その結果、伝統的な血縁関係やご近所関係が薄れ、これらを元に自然と形成される人と人の交流が大幅に減少し、コミュニケーションに深刻な影響をもたらしている。