中国共産党第十六期七中全会は、党規約の改正をおこなうことを決定し、中国共産党第十七回全国代表大会に党規約改正案と党規約改正案についての説明を上程し審議を求める。関連ある問題について次のように説明する。
一、党規約改正の基本的な考え方
現行の党規約は一九八二年九月の中国共産党第十二回全国代表大会で採択されたものである。二十数年いらい、党規約の基本的内容は安定を保っており、党の活動と党の建設を規範化し、指導する上で重要な役割を果たしてきた。それと同時に、情勢と任務の発展や変化に基づいて、党の第十三回、第十四回、第十五回、第十六回全国代表大会では、程度の差はあるがそれぞれ党規約の改正をおこなった。
中国共産党第十六回全国代表大会以来、わが党は鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を導きとすることを堅持し、中国共産党第十六回全国代表大会が打ち出した諸般の配置を全面的に貫徹し、全国各民族人民にしっかり頼り、小康社会の全面的な建設の歩みを積極的に推し進め、社会主義現代化の進捗を加速し、中国の特色のある社会主義事業で新たな成果を収めた。新しい世紀の新段階における情勢と任務の発展の要請に基づいて、わが党は鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想の指導のもと、科学的発展観など一連の重要な戦略思想を打ち出し、社会主義の調和のとれた社会を築き上げる戦略的任務を明確にし、社会主義の経済の建設、政治の建設、文化の建設、社会の建設という四つが一体となる中国の特色のある社会主義事業の全般的な布石を確立し、富強、民主、文明、調和のとれた社会主義の現代化国家を築き上げる奮闘目標を定めた。わが党は新たな実践の中で、党建設の新しい偉大なプロジェクトを着実に推し進め、党の執政能力の向上および先進性の保持が強化され、共産党員の先進性を保つ教育活動に重要な成果が見られ、党内の民主の発展、幹部に対する教育・養成訓練の強化、幹部人事制度改革の深化と組織制度革新の推進および教育、制度、監督をともに重んじた腐敗懲罰・予防システムの確立、健全化などの面では新たな重要な進展をとげた。多くの地方や部門の党組織は、中国共産党第十七回全国代表大会が党の理論の創造革新と実践の発展の要請に基づき、情勢の発展と変化並びに党活動の推進、党建設の強化という必要に応じて、党規約の改正をおこなうことを提案した。中央委員会はそれを検討したうえ、党の第十七回全国代表大会が党規約について適宜に改正をおこない、党規約に党の理論の創造革新と実践の発展で見られた新たな成果を具現すべきであると決めた。これは、全党は党規約をよりよく学習し、それを徹底させ、党の基本理論、基本路線、基本綱領、基本的経験をよりよく堅持し、党の方針・政策と重要な配置をよりよく貫徹、実施し、中国の特色のある社会主義の偉大な事業と党建設の新しい偉大なプロジェクトを前へと推し進めることに役立つものである。
今回の党規約改正にあたって遵守する原則としては、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を導きとすることを堅持し、党の第十六回全国代表大会いらい、科学的発展観など党中央が提起した一連の重要な戦略的思想を具現し、党の第十七回全国代表大会の報告の中で確立された重要な理論的観点、重要な戦略的思想、重要な活動の配置を党規約に盛り込む。また党内民主の発揚を堅持し、全党の英知を集中する。党規約の全般的な安定を保ち、改正する必要がある、党内ですでに共通の認識に達している内容のみを改正し、改正後の党規約がマルクス主義の中国化における最新の成果を十分に具現し、党活動と党建設の新しい経験を十分に具現することに努め、これによって、新しい情勢、新しい任務の党活動と党建設への新たな要請に適応する。
現行の党規約は総体として党活動と党建設を指導する必要に適応することができるものである。したがって、今回党規約について適宜に改正を行うが、大きな改正を行わないことにした。各クラスの党組織と広範な党員があまねく改正を提案するとともに、実践を通して成熟したものであると立証されたものは改めることにし、成熟していないものは改めず、改めても改めなくてもよいものは原則として改めないことにした。今回党規約改正の作業は党内の民主を十分に発揚し、広範囲にわたって各方面の意見を徴した。各地区、各部門の党組織と広範な党員が党規約について提起した改正の意見と提案はその多くがすでに採用されている。その一部のものは党規約改正案の中に取り入れられてはいないが、その主旨はすでに党の第十七回全国代表大会の報告の中に具現されている。一部の意見と提案はこれからも実践の中でさらに検討、模索する必要があり、また、一部の具体的な提案は党内のその他の文書、規則の中で具現してもよい。
二、総綱の改正の主な内容
(一)党の第十六回全国代表大会いらいの実践の進展という内容を書き加え、科学的発展観を突っ込んで貫き、徹底させることを強調した。実践の経験を総括したうえで、全党が科学的発展観を深く貫き、徹底させることを促し、小康社会の全面的な建設をよりよくおしすすめ、経済・社会の立派で急速な発展を促進するには、党規約改正案の総綱には次のように第七段落を書き加え、「第十六回全国代表大会いらい、党中央は鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想を導きすることを堅持し、新たな発展の要請に応えて、全党の英知を集中し、人間本位および全面的でバランスのとれた、持続可能な科学的発展観を打ち出した。また、科学的発展観は、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論と「三つの代表」という重要な思想と一脈相通じるものであるとともに、時代とともに前進する科学的理論でもあれば、わが国の経済・社会の発展の重要な指導方針であり、中国の特色のある社会主義を発展させるうえで堅持、貫徹しなければならない重要な戦略的思想でもあると強調している。科学的発展観を党規約に盛り込むのは、全党の同志が科学的発展観を貫き、徹底させる自覚と決意をさらに増強し、その思想をさらに科学的発展に統一させ、発展をめざす社会全体の積極性を科学的発展へと導き、科学的発展観を経済・社会の発展の各方面に徹底させることに役立つものである。
(二)中国の特色のある社会主義の道と中国の特色のある社会主義の理論体系とかかわりのある内容を書き加えた。党の第十七回全国代表大会の報告はわが国の改革開放と社会主義現代化建設という偉大な道程の総括をふまえて、中国の特色のある社会主義の道と中国の特色のある社会主義の理論体系を堅持することをはっきりと提起している。これはわが党が中国の特色のある社会主義という偉大な旗じるしを高くかかげ、全国各民族人民を結束させ、それを率いて、ひきつづき中国の特色のある社会主義事業の新しい局面を切り開くことにとって重要な意義をもつものである。党の第十七回全国代表大会の報告の中で論述されている関連の内容によれば、党規約改正案は総綱の第八段落を増やし、次のように強調した。つまり、改革開放いらい、われわれがすべての成果をあげ進歩を収めた根本的原因は総じて言えば、中国の特色のある社会主義の道を切り開き、中国の特色のある社会主義の理論体系を形成したからである。全党の同志は、党が並々ならぬ困難を乗り越えて切り開いたこの道と理論体系をよりいっそう大切にし、長期にわたってそれを堅持し、絶えず発展させていかなければならず、中国の特色のある社会主義という偉大な旗じるしを高く掲げ、現代化建設の推進、祖国統一の達成、世界平和の擁護およびともに発展することの促進という三つの大きな歴史的任務を完遂するために奮闘しなければならない。党規約が上記のように述べているのは、全党の同志が中国の特色のある社会主義の道と中国の特色のある社会主義の理論体系をよりよく把握し、堅持し、中国の特色のある社会主義を絶えず発展させることに役立つ。
(三)中国の特色のある社会主義事業の全般的な布石という内容を書き加えた。わが党の定めた中国の特色のある社会主義事業の全般的な布石に基づき、党規約改正案は総綱の第九段落において、かならず中国の特色のある社会主義事業の全般的な布石に照らして、経済の建設、政治の建設、文化の建設、社会の建設を全面的に推し進めなければならないという内容を増やすとともに、人間としての全面的な発達を促進し、労働、知識、人材および創造を尊重し、発展は人民のためにあり、人民に依拠し、その成果は人民がともに享受すべきであるという内容も増やした。総綱の第十四から第十七までの段落では、それぞれ社会主義の経済の建設、政治の建設、文化の建設、社会の建設を推し進めるとしている。中国の特色のある社会主義事業の全般的な布石を党規約に盛り込むことは、全党の同志が中国の特色のある社会主義事業に向けてより広々とした発展の前途を切り開くためにいっそう自覚をもって奮闘することに役立つ。
(四)党の社会主義初級段階における基本路線についての論述を充実させた。わが国が今なお、しかも今後長期にわたって社会主義の初級段階にあること、これはわが国の最大の実情であるため、党の社会主義初級段階における基本路線は党と国家の生命線である。党規約改正案の総綱は党の基本路線についての論述を強めた。一、党の第十六期六中全会が富強、民主、文明、調和のとれた社会主義現代化国家を建設するという奮闘目標をはっきり提起していることに鑑みて、党規約改正案は総綱において、党の基本路線の中の奮闘目標をそれに応じてわが国を富強、民主、文明、調和のとれた社会主義現代化国家に築き上げるというように述べている。二、「一つの中心、二つの基本点」をそれぞれ述べている三つの段落の内容について補足をおこない、人材による国力増強戦略の実施、国民経済の立派で急速な発展の促進、対外開放の基本国策の堅持、改革に関する政策決定の科学性の向上、改革措置の協調性の増強という内容を書き加えた。
(五)社会主義市場経済を発展させる内容を書き加えた。党の第十四回大会で社会主義市場経済という改革の目標が打ち出されて以来、わが党は全国各民族人民を率いて社会主義市場経済体制の確立に向けてたゆまぬ模索をつづけた結果、社会主義市場経済体制を初歩的に打ち立て、重要な経験を積み上げた。党規約改正案は、総綱の中の「一つの中心」について論述した段落の経済建設に関する従来の内容を統合し、中国共産党が人民を指導して社会主義市場経済を発展させることについての段落を増やし、公有制経済を確固として揺るぐことなくうち固め、発展させ、非公有制経済の発展を確固として揺るぐことなく奨励、サポート、導くことを強調した。そして、資源配分における市場の基礎的役割を発揮させ、充実化したマクロ・コントロールシステムを構築し、都市と農村の発展、地域的発展、経済と社会の発展、人間と自然の調和のとれた発展、国内の発展と対外開放を統一的に協調させ、経済構造を調整し、経済の成長パターンを転換させること。社会主義新農村を建設し、中国の特色のある新しいタイプの工業化の道を歩み、創造革新型の国を建設し、資源節約型、環境にやさしい社会を構築することを強調している。このように調整し、充実させれば、全党の同志が確固として揺るぐことなく改革開放、社会主義市場経済の改革の方向、社会主義基本経済制度を堅持し、社会主義市場経済体制を絶えず充実化させ、マクロ・コントロールシステムを絶えず健全化させ、対外開放のレベルを絶えず向上させ、国民経済の立派で急速な発展を促すことに役立つ。
(六)社会主義の民主政治を発展させる内容を充実させた。社会主義の民主政治を発展させることはわが党の終始一貫した奮闘目標である。社会主義の民主政治を発展させ、社会主義の政治文明を建設するには、党の指導と、人民の主人公としての地位と法による治国との有機的な統一を堅持し、中国の特色のある社会主義政治の発展の道を歩むことがカギとなる。党規約改正案では総綱の中の、中国共産党が人民を指導して社会主義の民主政治を発展させることについての段落を充実させ、上記の内容を強調するとともに、人民代表大会制度、中国共産党の指導する多党合作と政治協商制度、民族区域自治制度および末端の大衆自治制度を堅持し、充実させることを強調している。そして、人権の尊重と保障についての内容を書き加え、民主的選挙、民主的政策決定、民主的管理、民主的監督についての内容を全面的に述べている。これは全党の同志を指導して社会主義政治建設の方向と基本的要求を全面的に正しく把握させるうえでも、政治体制改革と社会主義民主政治の建設を指導するうえでも重要な意義を持っている。
(七)社会主義の先進的文化を発展させる内容を充実させた。党規約改正案では総綱の第十六段落の中で中国共産党が人民を指導して社会主義の先進的文化を発展させることを強調している。そして、マルクス主義の指導思想を堅持し、中国の特色のある社会主義という共通の理想を確立し、愛国主義を中核とする民族精神および改革・革新を中核とする時代精神を高揚させ、社会主義の栄辱観を唱導するという内容を書き加えた。これは全党の同志が社会主義の先進的文化の発展方向と任務をしっかり把握し、全民族の文化を創出する活力を呼びさまし、文化の大発展・大繁栄をより自覚的かつ、より能動的におしすすめ、文化の面における国のソフトパワーを高め、人民大衆の日ましに増大する精神・文化面の必要を満たすことに役立つ。
(八)社会主義調和社会の構築についての内容を書き加えた。党規約改正案では総綱の第十七段落の中で中国共産党が人民を指導して社会主義調和社会を構築することを強調している。そして、民主・法治、公平・正義、信義・友愛を求め、活力にあふれた、安定した秩序を保ち、人間と自然が仲良く共存するという全般的な要請、および共に建設に取り組み、共に享受する原則に則り、民生の改善を重点とし、人民が最も関心をもち、最も直接的で、最も現実的な利益とかかわりのある問題をうまく解決し、全人民がそれぞれの能力を尽くし、またそれぞれに得るところがあり、なおかつ睦まじく共存しあう状況を努力して作り出すことを強調している。また、政治建設についての段落の中の社会管理に関する内容をこの段落に組み入れた。このような改正により、社会主義の調和社会を構築する全般的な要請と指導原則も解明すれば、現段階において社会の調和を促進する主な力点も解明している。そして、全党の同志は社会の調和が中国の特色のある社会主義の本質的属性であり、社会主義調和社会の構築が中国の特色のある社会主義事業の全過程にまたがる長期にわたる歴史的任務であることを深く認識し、またこれによって、大衆の利益に関わる際立った問題をきちんと押さえて、全力をあげてその解決に努め、重点的に突破をはかる一方、力相応におこない、全力を尽くして取り組み、重点を設け、段取りを追って持続的に調和社会の構築を推し進めることに役立つ。
(九)軍隊の建設、民族事務、統一戦線活動、外交活動などの面の内容を充実させ、党の宗教事務に関わる基本方針を全面的に貫徹する内容を書き加えた。軍隊の建設、民族事務、宗教事務、統一戦線活動、外交活動をよりよく推し進めるため、党規約改正案は総綱の中の関連の段落において次のような調整と補足をおこなった。一、人民解放軍が新しい世紀の新段階における軍隊の歴史的使命を全うすることを確実に保証する内容を書き加えた。二、中国共産党は平等、団結、相互協力、調和のとれた社会主義の民族関係を擁護し、発展させ、少数民族と民族地区の経済、文化と社会事業の発展を助け、各民族がともに団結奮闘し、ともに繁栄し発展することを実現する内容を書き加えた。三、党の宗教事務にかかわる基本方針を全面的に貫徹し、信者たちを結束して経済・社会の発展のために貢献するという内容を書き加えた。四、わが国の統一戦線の構成についての叙述においては、社会主義事業の建設者についての内容を書き加えた。五、香港、澳門の長期にわたる繁栄と安定を促す内容を書き加えた。六、平和発展の道と互恵・ウィンウィンの開放戦略を堅持し、国内と国際という二つの大局を統一的に協調させ、調和世界の構築を推し進めることに努める内容を書き加えた。
(十)党建設と党の指導の強化と改善についての内容を充実させた。党規約改正案は、総綱の中の党建設と党の指導にかかわる内容について改正をおこない、党の執政能力と先進性の構築を強化し、改革・革新の精神で党建設の新しい偉大なプロジェクトを全面的に推進し、公のために立党し、人民のために執政することを堅持するととくに強調した。党建設の一つ目の基本的要求の中に、科学的発展観を深く貫き、徹底させるという内容を書き加え、組織面から党の基本理論、基本路線、基本綱領、基本的経験の貫徹を確保することを強調した。党建設の二つ目の基本的要求の中に、真実を求め実際を重んじる精神を発揚し、マルクス主義の中国化を推進するという内容を書き加えた。党建設の三つ目の基本的要求の中に、人民のために権力を行使し、心を人民に傾け、人民に利益をもたらすことを堅持し、枝葉末節と根本の問題をともに解決し、総合対策や措置を講じ、懲罰と予防に同時に力を入れ、予防を重視するという方針を堅持し、腐敗に対する懲罰・予防システムの確立と整備をはかるという内容を書き加えた。党建設の四つ目の基本的要求の中に、党員の民主的権利を保障し、全党の団結・統一を保証するという内容を書き加え、党内の民主的で団結した好ましい状況が一歩進んで形成されるようにする。党の指導についての段落の中に、科学的、民主的、法的知見に基づいた執政を堅持するという内容を書き加え、経済・社会の全面的な発展を促進するという要求をはっきりとうち出し、これによって、各クラスの党委員会が指導能力を絶えず高めるよう促し、経済・社会の発展を統一的に企画する各クラスの党組織の自覚と決意を固めるようにした。
三、条文の一部分を改正した主な内容
(十一)党員の義務について適宜に補足をおこなった。第三条第一項の中に、科学的発展観や法律知識を学ぶという内容を書き加え、第三条第八項の中に、率先して社会主義の栄辱観を実践するという内容を書き加えた。これにより、党規約の党員の義務についての規定は、党員が長期的に教育を受け、その先進性を永続させるという要求にいっそう合致し、広範な党員が前衛・模範としての役割をよりよく発揮することに役立つ。
(十二)党の組織制度面の新しい規定を書き加えた。一、第十条第四項の中に、党の各クラスの組織が規定にのっとって党務の公開を実行するという内容を書き加えた。これは、党内の民主を拡大し、党員の党内事務への理解と参与をよりよく促進することに役立つ。二、第十一条の中に第三項を増やし、党の各クラスの代表大会で代表の任期制を実行すると規定している。これは、党の第十六回大会および十六期四中全会で、党代表大会の閉会期間においても代表の役割を発揮させることについて明確な要求が提出され、また一部の地方もこの面で実り豊かな模索をおこない、重要な経験を積んできたと考えたからである。このように規定すれば、今後この規定に基づいて具体的な実施意見を制定し、党代表大会代表の職責と権利を明確にさせ、党代表大会代表の役割を発揮させることに役立つ。三、第十三条の中に第四項を増やし、党の中央と省、自治区、直轄市の委員会で巡視制度を実行すると規定している。これは、巡視制度が中央で実施されて以来すでに著しい成果をみせ、巡視制度を党規約に書き入れれば、党内監督の強化と党風・廉潔政治の建設に役立つと考えたからである。
(十三)党の中央組織と地方組織の活動メカニズムを充実させた。第二十一条第二項の中に、中央政治局が中央委員会全体会議に活動報告をおこない、その監督を受けるという内容を書き加えた。第二十七条の中に第二項を増やし、地方の各クラス党委員会の常務委員会が委員会全体会議に定期的に活動報告をおこない、その監督を受けると規定している。党の第十六回大会いらい、中央政治局が中央委員会に活動報告をおこなうことはすでに制度化されており、こうした効果のある制度を党規約に書き入れ、全党で推し広め、さらに長期にわたって堅持していくことは、党内民主の発揚と党内監督の強化に役立ち、党の各クラスの委員会全体会議の役割を発揮させることに役立つ。
(十四)党の末端組織に対する新たな要求を書き加えた。一、第二十九条第一項の「社会団体、社会仲介組織」を社会組織と総称し、そうすれば新しい社会組織を含むすべての社会組織が内包されることになる。これは、新しい社会組織において党組織の設立に力を入れ、党活動のカバーするエリアを拡大し、党の執政を支える大衆的基盤と社会的基盤を増強することに役立つ。二、第二十九条第二項の末端委員会、総支部委員会、支部委員会の選出方法についての規定の中に、委員の候補者を指名する場合、党員と大衆の意見を広く徴する必要があるという内容を書き加え、第三十条の中の「末端委員会、総支部委員会、支部委員会の選出した書記、副書記は、上級の党組織に報告し、その承認を得なければならない」を、「末端委員会、総支部委員会、支部委員会の書記、副書記が選出された後、上級の党組織に報告し、その承認を得なければならない」と改めた。これは、中央の配置に従い、少なからぬ地方では党員大会または党員代表大会の直接選挙による末端党組織の責任者の選出テストがおこなわれ、かなり良い実践的効果をあげていることを考えたからである。このように規定すれば、末端における党組織指導グループの候補者指名の段階における民主の拡大に役立ち、さらに末端における党組織指導グループの直接選挙など党内の末端の民主の拡大に向け、模索の余地を残すにも役立つ。三、第三十一条第三項の中に、党員にサービスするという内容を書き加え、これは、末端における党組織の機能を整え、その結集力と訴求力を増強することに役立つ。四、第三十一第三項の中に、不在党員に対する管理を強化、改善するという内容を書き加えた。わが国の経済・社会が急速に発展し、社会組織の構造が大きく変化するにつれて、不在党員の数がたえず増えており、不在党員の管理を強化、改善することは、新しい情勢下における党員管理の新たな課題であり、末端における党組織の重要な任務の一つである。このように規定すれば、党員の党籍所在地および移転先にある党の末端組織が、それぞれ各自の責任を負い、管理の合力を形成させることに役立つ。
(十五)党の幹部に対してより高い要求を提起した。第三十四条第一項の中に、率先して科学的発展観を貫き、徹底させるという内容を書き加え、第三十四条第二項の中に、正しい治績観を確立し、実践や大衆と歴史の検証に耐えうる実績をあげるという内容を書き加え、第三十四条第五項の中に、モラル修養を強化するという内容を書き加えた。このように改正すれば、幹部登用面の正しい方向付けに役立ち、各クラスの指導幹部が科学的発展観を貫き、徹底させる自覚と確固不動さを増強し、党性の修養とモラル修養を強め、党と人民のために着実に業績を打ち立てるよう促進することに役立つ。
「中国共産党中央編訳局文献翻訳部」2007/10/26