経済から民生向上への10年

経済から民生向上への10年。

タグ: 第16回党大会 第18回党大会

発信時間: 2012-10-25 10:10:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 

鄧小平氏の「先富論」から「共同富裕」へ

1949年の中華人民共和国成立以来今日まで中国の歩んだ道のりは、改革開放政策が採択された1978年を境に、それ以前の「政治重視」から「経済優先」の時代に入ったと言えるでしょう。経済優先の時代は、鄧小平氏の南巡講話(1992年)を境に新たな展開を遂げます。例えば、中国は途上国最大の投資受け入れ国ですが、外資系企業の対中進出が加速するのは1992年以降です(2012年5月時点で43万9300余社)。

では、新中国成立以来の道のりから見て、この10年間はどんな時代だったと位置付けられるのでしょうか。一言でいえば、経済優先から民生向上への時代の幕を開けた10年間といってよいでしょう。

この10年間、党と政府が強調した国づくりの要諦は、「科学的発展観に基づく社会主義和諧社会の建設」です。「和諧社会」の建設とは、各階層間で調和の取れた社会を目指すということです。ここで強調されているのは「社会」です。鄧小平氏は南巡講話で「社会主義市場経済」を打ち出し「経済」を強調しています。本来、対立する概念と思われていた「社会主義」と「市場経済」を中国の実情にあった形で組み合わせて実践したことが、現在に至るまで、中国の飛躍的経済成長を可能とし、二度の危機に見舞われた世界経済の安定につながったとする識者は少なくありません。

 

「和諧社会」の核心は「以人為本」(人間本位)にあるとされています。即ち、民生向上が強調されていると言ってよいでしょう。その成果の一端として、医療、福祉、教育、雇用など社会保障面での充実、2600余年続いた農業税の全面廃止(2006年)、2007年に始まる義務教育無料化、都市化の推進などが指摘できます。階層間格差の是正に大きな一歩が踏み出されたと言ってよいでしょう。

「以人為本」の「人」とは、中国13億人の全てが対象ということになります。「民生向上」とは、鄧小平氏が提唱した「先富論」の第二段階となる「共同富裕」を代弁していると言えるでしょう。2002年、中国が「人材強国」戦略を提起し、科学教育に注力しているのも人口の有効活用による民生の向上を期待してのことと言っても過言ではないでしょう。

 

 

     1   2   3   4    


iphoneでもチャイナネット!

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで

コメント

コメント数:0最新コメント

コメントはまだありません。