思想観念の束縛を突き破り、利益固定化の壁を突破するには、思想の解放が最も重要である。改革を深める上で、いくつかの思想観念の束縛は往々にして体制外ではなく体制内から来る。思想を解放しなければ、われわれはさまざまな利益固定化の問題のありかをはっきり見てとることができず、突破する方向や力の入れどころを的確にさぐりあてることができず、創意ある改革措置を講じることが難しくなる。したがって、われわれは必ずや自ら革新する勇気と志を持たなくてはならず、因習やしきたりの制限を乗り越え、部門利益のしがらみを克服し、前向きで主動的な精神で改革措置を講じなければならない。
改革措置を講じるにはもちろん慎重でなければならず、検討を重ね、繰り返し論証しなければならないが、だからといって小心翼々として、尻ごみし、何もしようとせず、何も試せないようではいけない。改革を行う以上、既存の活動の枠組みや体制運営をほんの僅かでも打ち破らないということはありえないし、何もかもが無難で当たり障りなく、いかなるリスクも冒さないということはありえない。十分な論証、評価を経て、実際条件に適い、必ずやらなければならないものであれば、やるべきことはやはり大胆にやらなければならない。
第三、大局から出発して問題を考えることを堅持する。改革の全面的深化は党と国家の事業発展の全般にかかわる重要な戦略配置であり、ある分野やある面の個別の改革ではない。「全局を謀らぬ者は、局部を謀るに足りず」である。みなさんは異なる部門や組織から来ているが、みんな全局から問題を見なければならない。まず打ち出された重要な改革措置が全局の必要に適っているかどうか、党と国家の事業の長期的発展に役立つかどうかを見なければならない。真に前向きに展望し、未来志向で考え、時代を先取りして手を打たなければならない。そうしてこそ、最終的にできあがった文書が真に党と人民の事業発展の要請に応えうるものになるので
ある。
改革の全面的深化のためにはトップダウン設計と全体計画を強化しなければならない。各項目の改革の関連性、系統性、フィージビリティーの研究を強化しなければならない。われわれは大胆かつ着実にと言っているが、着実にというのは、統一的に考慮し、全面的に論証し、科学的に政策決定を行うことである。経済、政治、文化、社会、生態文明の各分野における改革と党建設の改革とを緊密に結びつけ、互いに融合しあい、いかなる分野の改革もその他の分野の改革に影響を及ぼすとともに、その他の分野の改革の緊密な呼応がなければならない。もしも各分野の改革がセットとならず、各方面の改革措置が互いに牽制しあうなら、改革の全面的深化を推し進めてゆくのは非常に困難になり、たとえ無理して推し進めても、その効果は大きく見劣りするものになるだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 資料