六、都市と農村の発展一体化に向けた
体制・仕組みを整備
都市と農村の二元構造は、都市と農村の発展一体化を妨げる主な障害である。必ず体制・仕組みを健全化し、工業が農業を促進し、都市が農村を導き、工業と農業が互いに利益を与え合い、都市と農村とが一体となった新たな工業・農業、都市・農村の関係を形成し、広範な農民を近代化プロセスに平等に参与させ、近代化の成果をともに分かち合うようにしなければならない。
(20)新しいタイプの農業経営体系の構築を加速する。農業における家庭経営の基礎的地位を堅持し、家庭経営、集団経営、共同経営、企業経営などがともに発展する農業経営方式の革新を推し進める。農村の土地集団所有権を堅持し、農民の土地請負経営権を法律によって守り、集団経済を発展させ強大にする。農村の土地請負関係を安定させ、かつ長期的に変えないようにし、最も厳格な耕地保護制度を堅持し充実させる前提のもとで、農民に請負地に対する占有、使用、収益、譲渡、及び請負経営権の抵当、担保の権限を与え、農民が土地請負経営権譲渡の形で株式参加し農業の産業化経営を発展させることを認める。土地請負経営権が公開市場において大規模専業農家、家庭農場、農民協同組合、農業企業へと移転することを奨励し、多様な形の大規模経営を発展させる。
農村の協同組合経済の発展を奨励し、規模化、専業化、近代化経営への発展を助成し、財政のプロジェクト資金が条件をそなえた協同組合に直接投入されることを認め、財政補助により形成された資産が協同組合に移転、管理・維持されることを認め、協同組合が信用協同組合を発展させることを認める。商工業資本が農村で企業化経営に適った近代的な栽培・飼育・養殖業を発展させるよう奨励し、導き、農業に近代的な生産要素と経営モデルを注入する。
(21)農民により多くの財産権を与える。農民の集団経済組織構成員としての権利を保障し、農民の株式合作制を積極的に発展させ、農民に集団資産の株式に対する占有、収益、有償退出、及び抵当、担保、相続の権利を与える。農家の宅地の用益物権を保障し、農村の宅地制度を改革し、より完全なものにし、農民の住宅財産権の抵当、担保、譲渡のモデル試行を慎重かつ穏当に推し進め、農民が財産性所得を増やすルートを模索する。農村の財産権の流通取引市場を確立し、農村の財産権流通取引のオープンで、公正で、規範的な運営を推進する。
(22)都市と農村における生産要素の平等な交換と公共資源の均衡配置を推進する。農民の生産要素の権益を守り、出稼ぎ労働者の同一労働同一賃金を保障し、農民にも公平に土地の付加価値収益を享有させるよう保障し、金融機関の農村預金が主に農業や農村に使用されることを保障する。農業の支援・保護体系を整備し、農業補助金制度を改革し、食糧主産区の利益補償メカニズムを整備する。農業保険制度を整備する。社会資本が農村建設に投入されることを奨励し、企業や社会組織が農村でさまざまな事業を興すことを認める。都市と農村のインフラ建設とコミュニティー建設を統一的に計画し、都市と農村の基本的な公共サービスの均等化を推進する。