◆6カ国協議
6カ国協議とは朝鮮と韓国、中国、米国、ロシア、日本の6カ国が参加する、朝鮮の核問題の解決を目指す交渉の場である。2003年8月27日に始まり、これまでに6回開かれている。
朝鮮の核問題は90年代初めにさかのぼる。当時、米国は衛星が収集したデータに基づき朝鮮の核兵器開発に疑惑を持ち、核施設への査察を実施しようとした。朝鮮は核兵器を開発する意図も能力もないと宣言すると同時に、米国が韓国に配備している核兵器は朝鮮の安全にとって脅威であると非難。これを機に朝鮮半島の危機が勃発した。
朝鮮の核問題を平和的に解決しようと、中国政府は積極的に調停に乗り出し、03年4月に朝鮮と中国、米国が参加する朝鮮の核問題をめぐる3カ国協議を設置した。同年8月、中国は韓国と日本、ロシアを加えた6カ国協議の場を設けた。
●03年8月27-29日にかけて第1回6カ国協議を北京で開催。
●04年2月25日、第2回協議は初めて議長声明を発表し、次回開催の場所と時間、作業部会設置による会談の常設化を推進することを確定。
●04年6月23-26日の第3回協議の議長声明は、各国が作業部会を早急に開き、非核化を目標とする第1段階における措置の範囲や期限、核査察、対応措置に関する具体的事項を確定するよう要求。
●05年9月13-19日の第4回協議は共同声明を全会一致で採択。朝鮮は、すべての核兵器と現有の核計画を放棄し、「核兵器不拡散条約」(NPT)に早期に復帰するとともに、国際原子力機関(IAEA)に再加盟して査察を受けると確約。
●05年11月9-11日の第5回協議は、9月19日の共同声明の内容を改めて発表。各国は「確約対確約、行動対行動」の原則を再度表明。
●07年2月13日の第5回協議第3回会合は、共同文書「共同声明実施のための初期的段階における行動」を採択。同年7月、朝鮮は寧辺にある各施設を封鎖。
●10月3日の第6回協議第2回会合は共同文書「共同声明実施のための第2段階における行動」を採択。この文書に基づき、米国と朝鮮は2国間関係の改善に向けて引き続き尽力することで合意し、全面的な外交関係確立の実現に向けて歩み出す。11月、朝鮮は寧辺(ニョンビョン)など3カ所の核施設の「無能力化」に着手。
特集:6カ国協議
「チャイナネット」 2009年8月