◆上海協力機構(SC0)
SCOの前身は「上海ファイブ」。同組織の発足は、80年代末に始まった中国を一方、ロシアとカザフスタン、キルギス、タジキスタンの4カ国を一方に、国境地帯における信頼の強化と軍縮に関する交渉に由来する。
冷戦終結後、国際・地域情勢に大きな変化が生じた。中国とロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタンの5カ国は善隣と相互信頼、友好協力関係を強化し、国境地帯における信頼と軍縮問題を加速するため交渉を加速、「国境地帯の軍事分野における信頼の強化に関する協定」と「国境地帯における軍事力の相互削減に関する協定」に調印した。アジア太平洋地域で初めての多国間の政治・軍事に関する文書であり、国際社会の幅広い関心を集めるとともに高い評価を受けた。
その後、5カ国元首の年次会談は定着し、各国持ち回りで開かれるようになった。98年から00年には、アルマティとビシケク、ドゥシャンベで開催。ビシケク会談にはウズベキスタンのカリモフ大統領がゲストとして招聘されて参加した。会談の内容も国境地帯における信頼から次第に政治や安全保障、外交、経済貿易、ヒューマニズムなどの分野における全面的な互恵協力の展開に関する議論へと拡大していった。初の会談が上海で行われたことから、上海ファイブ」と呼ばれる。
01年6月14日、加盟国の元首とウズベキスタンの大統領が上海で会談し、ウズベキスタンを同組織に迎え入れる声明に署名。6カ国の元首は同月15日、同組織を基礎にSCOを設立すると宣言し、ここにSCOは正式に誕生した。
SCOの05年7月のアスタナ首脳会談は、中国が06年の会談を主催し、6月中旬に上海で開催することを決定。
この会談はちょうどSCO設立5周年、「上海ファイブ」発足10周年にあたることから、世界の注目を集めた。
加盟国との協議を経て、中国側はモンゴルとパキスタン、イランの大統領、インドの首相をオブザーバーとして招聘し、アフガニスタンの大統領、東南アジア諸国連合(アセアン)と独立国家共同体の指導者が議長国のゲストとして出席した。
「チャイナネット」 2009年8月