(六)民生の保障と改善にさらに力を入れた。
雇用情況は安定した。雇用政策の実施が比較的うまくいったことで、都市部の新規就業者数が一二二一万人に達し、所期目標を三二一万人上回ったほか、二〇一一年末時点の都市部登録失業率も四・一%となり、所期目標を達成した。大学新卒者の就職内定率は七七・八%に達し、前年度比で一・二ポイント上昇した。一時帰休者と就職困難者の再就職者数はそれぞれ五五三万人、一八〇万人だった。出稼ぎ農民工の数は三・四%増の一億五八六三万人となった。
個人所得は引き続き増加した。都市部住民一人当たりの可処分所得と農村部住民一人当たりの純収入はそれぞれ、二万一八一〇元と六九七七元に達し、物価変動分を除いた実質伸び率は八・四%と一一・四%となった。これにより、農民収入の実質伸び率は一九八五年以来最高を記録した。出稼ぎ農民工の平均月収は前年度比二一・二%増の二〇四九元となった。農村貧困脱却扶助開発新十ヵ年要綱を打ち出し、生活困窮者が集中する特別困難な地域を対象に貧困脱却扶助難関突破プロジェクトを実施した結果、外部へ移住した農村貧困者が九〇万人に達し、計画目標を三万人上回った。
都市・農村住民をカバーする社会保障制度がほぼ確立した。二一四七の県(市、区)で都市部住民社会養老保険を試験的に導入し、二三四三の県(市、区)で新しいタイプの農村社会養老保険を試行して、カバー率を六〇%以上にした。企業定年退職者基本養老年金を七年連続増額し、新しいタイプの農村合作医療・都市部住民基本医療保険の財政補助基準を年間一人当たり二〇〇元に引き上げ、労災保険条例公布以前に労災認定を受けていた三一二万人以上の企業職員・労働者および労災死亡者の扶養親族を労災保険対象者に組み入れた。二〇一一年度末時点で、都市部基本養老保険、都市部基本医療保険、失業保険、労災保険、生育保険の加入者数はそれぞれ二億八九〇〇万人、四億七三○○万人、一億四三○○万人、一億七七〇〇万人、一億三九〇〇万人となり、また、国家「新農保」テスト地区における新しいタイプの農村社会養老保険加入者数は三億二六〇〇万人となった。都市・農村最低生活保障制度の実施によって五三○○万人余りの農村住民と二二○○万人余りの都市住民が恩恵を受けた。