中国の経済状況は望ましい
米ブルームバーグ通信社記者:今朝アジア株式市場が下落に転じ、上海総合指数が3%、香港市場は1.7%それぞれ下落し、ドルの対円レートは12年ぶり最安値を更新し、人民元の対ドルレートは12年来の最高値を記録した。今年の経済発展は1つの均衡点を必要としているが、あなたはどのような通貨政策と為替レート関連政策を実施してこの均衡点にたどり着き、中国経済の適切な成長率が維持されると同時に、世界の経済後退の局面で負うべき責任を果たすつもりか。また、1997年、1998年のアジア金融危機の際、中国が人民元の切り下げを行わなかったことはアジア地域で高く評価された。当面、世界経済の減速状況のもとで、中国の大幅な人民元為替レート変動幅の拡大はありうるのか。
――最近、米国のサブプライムローン問題は、ドル安をもたらし、米国政府による数回にわたる金利引下げの原因となり、世界原油価格も急騰しており、一時110ドルを上回った。これは世界の株式市場に大きな影響を及ぼしている。私は世界経済、特に米国経済には非常に関心を持っており、憂慮している。
中国が引締め通貨政策と穏健な財政政策を実施することは、中国の実情から出発したものだ。主に投資の伸びが速すぎて、通貨供給量と貸付け規模が過度に増加し、貿易黒字の伸びが速すぎることが背景にある。しかし、中国経済はすでにグローバル化しており、世界経済のさまなまな変化が中国経済に反映されないことは不可能だ。そのため、われわれはこれらの政策を実施する際、国際経済の動向を注意深く見守り、状況に応じて柔軟かつ迅速に相応の対策を講じなければならない。政策の効果は中・長期的に見るべきで、わずか1、2カ月では問題の発見は難しい。
私が今憂慮しているのは、ドル安が進行し、いつ底入れとなるかは見当が付かないこと。また、米国は一体どのような通貨政策を取り、その経済情勢はどのように変化するのかということ。
人民元為替レート形成メカニズムの改革に関しては、われわれはすでに為替レートは市場需給の変化に基づいた通貨バスケットを参考に形成されるべきだという方針を確定している。2年来、人民元の対ドルレートはすでに15%上昇し、しかも最近の上昇幅は拡大し続けている。
さまざまな通貨調整手段を用いる際、その利害を分析し、総合的に検討し、総合的に考慮しなければならない。金利の変動にしても為替レートの変動にして、いずれもプラス面とマイナス面があるからだ。