中国にとって2008年は災難の多い年だ。雪害、地震、水害、群衆事件、食の安全の問題(毒餃子問題、三鹿製粉ミルクに代表される一連の問題を含む)は、中国人に「多災多難」の何たるかを深く知らしめた。多難はもとより国を興しもするが、多難の根本的な原因はどこにあるのか。対処と、その根本的な解決の道はどのようにして見出せばいいのか。これは大きな問題に見えるが、実は簡単だ。「大国を治むるは小鮮を烹るが若し」という。学理上の分析はせずに、いくつかの「わかりやすい道」を示したい。
多くの中国人は、なぜ私たちはこうした「災難」に遭うのかと問うかもしれない。当然、各例共に「公共突発危機事件」である以上、自ずから「偶然性」と「予知不能性」の要素を持つ。そうでなければ「突発危機」とは呼ばない。だが「偶然」の中に「必然」もいくつかなかったわけではあるまい。問題への対応とその解決を語る際、偶然にばかり目を向けていてはならない。必然の中に力を発揮し、検討できる部分を探してこそ、解決の道となる。
必然を語るには、趨勢への言及が必要だ。中国は21世紀に入ってからの8年間で、すでに内部矛盾と外部矛盾が集中的に突発する特殊な歴史的段階に発展したと言える。わが国は現在「突発公共危機事件」の頻発期にあり、社会の安定はすでにある程度の試練に直面している。
自然に目を向けると、わが国は常に、自然災害の影響が大きい国であった。災害の種類、頻度、損害は、歴史的に見ると常に多く、頻繁で、深刻だった。中国人は数千年にわたり自然災害に見舞われてきた。新中国が始まるまでは、その認識には封建迷信要素が多く、科学的な対策は少なかった。自然災害の影響を受けた国民は推計2億人前後で、全体の7分の1強を占める。しかも近年の都市化に伴い、人口集中も進行しており、経済の発達した地区でひとたび重大な自然災害が発生すれば、壊滅的な災難、国家的な損失となる可能性が高い。わが国の大都市の70%以上、人口の半数以上、工業・農業総生産の75%以上は、気象・海洋・洪水・地震災害の深刻な沿海部と東部に集中しているのだ。
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