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論評:朝米の信頼構築が鍵
発信時間: 2009-08-07 | チャイナネット

 

米政府はクリントン氏の平壌訪問を「私的訪問」と説明し、その「政府色」を薄めようと躍起だ。一部メディアは想像力ある憶測をし、1994年6月のカーター元大統領の訪朝との比較も行っている。

クリントン政権期の第一次朝鮮核危機で、両国が戦争の瀬戸際に近づいた時、カーター元大統領の訪朝は、危機の解消を直接的に促した。その後米朝はさまざまなルートを通じて「米朝枠組み合意」の実行について頻繁に意思を疎通。協議内容も核問題からミサイル問題へと徐々に拡大していった。双方は他の分野でも成果を上げ、歴史的な高官訪問も実現した。

朝鮮との交渉経験があるクリントン氏も、今回の「電撃訪問」で核問題について大きな突破口を開くことはできなかった。15年前の朝鮮核危機と今日の膠着局面とは、情勢・性質・解決枠組の面で、大きく異なっている。15年前の朝鮮は核開発の疑いがあるだけだった。だが今ではすでに核実験を2度行い、核保有国宣言すらしている。15年前のカーター訪朝前夜、すでに米国は対朝武力行使に向けて朝鮮半島への増兵を真剣に検討し、朝鮮核危機は「戦争と平和」の分水嶺に達していた。今や、朝鮮核危機はほぼヒートアップし尽くし、膠着局面が続き、その打開を求める段階に入っている。15年前の朝鮮核危機は、米朝2国間ルートを通じて交渉で解決するのにより適した、核不拡散の問題だった。だが今や、朝鮮の核保有問題は北東アジアの安全と安定に関わる重要な議題となり、多角的ルートを通じた解決の推進を必要としている。

朝鮮半島の非核化と核不拡散は、米朝間だけの問題ではなく、関係各国の安全保障上の利益に関わる、地域の問題だ。第一次朝鮮核危機の解消は、米朝2国間協議の形で実現されたが、その舞台裏には常に多角的努力があった。実際に「米朝枠組み合意」も多くの国の助力によって実行されたものだ。関係各国の参与と支持がなければ、朝鮮半島核問題の「解決」も、不徹底で、持続不能なものとなる。第二次朝鮮核危機以降、関係各国は舞台裏から表舞台に出てきて、6カ国協議という多角的枠組みを通じて、核問題の最終的な解決に向けて多大な貢献をしてきた。

同様に見落としてならないのは、朝鮮半島の平和と安定、核危機の起因と推移の過程において、米朝2国間要素は、問題であると同時に解決の要でもあるということだ。冷戦終結からすでに20年近くが経ったが、米国は朝鮮の脅威を理由に北東アジアにおける軍事的プレゼンスを保ち、朝鮮のミサイル問題をミサイル防衛システム開発の根拠としている。同様に、朝鮮は米国の「敵視政策」によって、核武装を正当化している。米朝関係の現状は、依然として冷戦の遺物のままだ。

厚い氷を溶かす鍵は、相互信頼の構築だ。15年前のカーター訪朝は、核危機の決定的な転換点となった。これは核危機をめぐる当時の情勢によるものだ。クリントン氏の平壌訪問は、すぐに目に見える突破口を開いたとは言い難いが、もし米朝双方が接触し、両国間の溝を実質的に解決するための機会を得、将来的に多角的枠組みを通じて核危機を解消する信念を構築できたなら、核問題の最終的な解決にプラスとなる。

「人民網日本語版」2009年8月7日

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