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リスボン条約がEUに新たな期待をもたらす
発信時間: 2009-11-05 | チャイナネット

 

チェコのクラウス大統領は3日、プラハでリスボン条約の批准文書に署名した。これにより同条約は、欧州連合(EU)の加盟27カ国すべてで批准手続きが完了した。EU議長国のスウェーデンはこれを受け、リスボン条約は12月1日に発効する見込みであると発表した。

スウェーデンのラインフェルト首相は、リスボン条約発効の最終手続きを完了するためのEU特別首脳会議を早急に開催する考えを示した。リスボン条約に基づき、欧州理事会議長の役職が新設されるほか、外交・安全保障政策上級代表の権限が拡大される。リスボン条約の発効は欧州統合のプロセスにおいて一里塚の意義を持つ重大な出来事であり、EUの政治統合に新たな希望をもたらすものである。ニース条約以来のEUの制度的危機が解消され、政策決定手続きが改善されるほか、EUが国際舞台でより重要な役割を演じる上でもプラスとなる。

第1に、EUは国際舞台で新たな共同行動能力を備えるようになる。新しいEU外交・安全保障上級代表は、欧州委員会、欧州理事会、および各加盟国の官僚からなる強大な対外機関を統率する。この機関は、EUが世界各地に設置する186の代表部からの支持も得る。これらの新しい措置により、EUは影響力を高め、より大きな役割を発揮できるようになる。

第2に、欧州委員会、欧州理事会、欧州議会などの、加盟国からの独立性が高められる。リスボン条約は、理事会は40以上の新たな分野で特定多数決制を採用するとしている。これによりEUの政策決定の効率が大幅に高まり、理事会の超国家的性質が強化される。

第3に、立法、予算、政治監督分野で欧州議会の権力が強化される。

無論、リスボン条約を施行する過程も一路順風とはいかない。リスボン条約は度重なる修正を経て、少なからぬ矛盾を抱えており、今後の実際の運用には、多くの不確定要素が残る。

「人民網日本語版」2009年11月5日

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