イランのアハマディネジャド大統領は新年早々、中央アジアのタジキスタンとトルクメニスタンを訪問した。西側が対イラン制裁の強化を準備する中、この訪問はイランの外交の幅の拡大に寄与すると一部メディアは指摘する。
アハマディネジャド大統領は4日、タジキスタンのラフモン大統領とドゥシャンベで会談し、両国の戦略協力の一層の拡大について踏み込んで意見交換した。ラフモン大統領は会談後の記者会見で、イランによる原子力の平和利用への支持を打ち出すとともに、イランの核問題について、対話と外交ルートを通じた解決を国際社会に呼びかけた。両国は工業、交通インフラ整備、油田調査、水力発電所の建設など、6つの合意文書にも署名した。
アハマディネジャド大統領は5日、トルクメニスタンのベルディムハメドフ大統領とアシュハバードで会談した。両大統領は両国関係発展の重要性を強調。共同プロジェクトを継続し、従来の協力を平等原則を基礎にさらに高い水準へと引き上げる考えで一致した。さらに「双方は重大な国際・地域問題において立場が近く、地域の平和と安全を共同で守ることを共に主張している」と表明した。翌6日には、両国間の2本目の天然ガスパイプラインの第1期区間の開通式にそろって出席した。
実際イランは中央アジア諸国との関係の発展を一貫して高度に重視してきた。ロシア独立国家共同体国家研究所のクニャーゼフ氏は以前「ソ連解体後、イランは中央アジア地域への影響力を不断に高めようと、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンなどとの民族、歴史、宗教、言語、文化面の歴史的ルーツの力を借りて、同地域への進出を強化してきた。米国の世界的な対テロ戦略における中央アジア地域の地政学的意義は、テロ対策の重点がアフガニスタンへ移るに従い、高まり続けている。対テロで支持をとりつけるため、米国も中央アジア諸国を自陣営に引き込む努力を強化している」と指摘した。サハロフ氏は「中央アジア地域におけるイランの主たる戦略目標は、同地域において主導的役割を発揮する政治力の1つとなることだ。イランは現在、中央アジア諸国および域内の重要な国際組織との協力を強化することで、自らの外交の幅の不断の拡大を図っている。これらは、西側諸国の対イラン戦略を撹乱するだろう」と指摘する。
「人民網日本語版」2010年1月7日 |