米国の「核状況報告書」を解読②通常長距離攻撃で覇を称える

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発信時間: 2010-04-13 16:04:40 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

オバマ政権の下で公表された「核状況報告書」は全世界の専門家の強い関心を呼んだ。平和を熱愛する人びとはオバマ氏が、小ブッシュ氏の「単独主義」といった武力至上の考え方から抜け出すことを願っている。「核のない世界」という考えを打ち出したことで、オバマ大統領はノーベル平和賞を受賞した。

先ごろ米国防総省が公表した「核状況報告書」は、「核ゼロの世界」という概念を推し進めたものなのか。フランスの戦略分析研究所長で、新ソルボンヌ大学戦略問題研究所のフランソワ・ジェレー所長は報告書の持つ深みを解読することで、核ゼロの背後にある理論は一体どこにあるのか、と考えた。「文匯報」が伝えた。

「2月に明らかにされた版のうち、2つの段落が、最終的に公表された版から消えた」。ジェレー所長は、これに対する分析がオバマ氏の核のない世界という考え方を理解するカギとなると話す。

その1は、中国とロシア、朝鮮、イラン、シリア及びテロを支援する国家を米国に敵対する国家に指定する。その2は、「米国は通常兵器を核兵器に代わる威嚇手段とし、長距離戦略大陸間弾道ミサイルと超長距離巡航弾道ミサイル(3000-8000キロ)を用いて、1時間以内に全世界の目標に対し大規模な打撃を与え、いかなる目標も徹底的に破壊することを実現する」。つまり、米国が核兵器と生物・化学兵器をその他の大量破壊兵器と分離しようとするのは、米国が長距離大陸間弾道ミサイルと超長距離巡航弾道ミサイルを用いて殺傷力の驚くべき通常兵器を携帯できる能力を掌握しているからであり、戦略長距離爆撃機と原子力潜水艦を加えれば、米国は今日ではすでに核兵器を使用する必要はなく、通常弾頭の大規模爆撃を通じて、超長距離から相手を攻撃し、以前は核兵器でしか破壊できなかった目標も破壊できるようになったからだ。この点、ロシアでさえ米国にはかなわない。核弾頭の削減は、米国にとって、核兵器を搭載したミサイルを空にし、通常大量破壊弾頭を搭載し直す、というものだ。

一旦、「核ゼロの世界」が実現すれば、米国はいかなる国を長距離攻撃しても、反撃されることのない絶対的に優位な局面を掌握することになる。米国が近年来、ミサイル迎撃システムの開発に力を入れてきたことを考慮、分析し、ジェレー所長は「オバマ氏の『核ゼロ』という理念の背後に、このような局面、核がないことを条件に、グローバルな範囲でミサイル迎撃システムを構築し、核兵器を搭載するミサイルを通常大量破壊爆弾を搭載する運搬手段に転換することで、全世界において軍事面で絶対的な優勢を再び確立する。これがまさに米国が構築しようとする明日の世界だ」と指摘する。

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年4月13日

 

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