■一方の行動が情勢を変える
日本政府が新設した総合海洋政策本部は4月25日、政策構想「海底資源エネルギー確保戦略」を策定。同戦略によると、探査計画の海域面積は34万平方キロに達し、四国と紀伊半島、日本海の海底で「可燃氷」の調査を行い、日本最東端の南鳥島周辺海域でコバルトを豊富に含む「コバルト・リッチ・クラスト」について調査する。外部で幅広い議論を呼んだのが、日本が15年までに中国の釣魚島の東北海域と八丈島南部の海域での調査を終了する、としたことだ。
中国共産党中央党学校戦略研究センターの林暁光教授は「日本政府が『海底資源エネルギー確保戦略』を大々的に宣伝するのは、結局、しっかりと調査の準備をする、または交渉戦略上、パイとして中国側に圧力を加えることで、中国側が早期に東中国海ガス田資源の共同開発に同意するよう促すためであり、現時点でいかなる結論も出すのは時期尚早だ」と分析する。
日本の東中国海での動きへの警戒心から、中国は一連の対応措置を講じた。中国人民大学東アジア研究センター主任の黄大慧教授は、中国の希土類資源の輸出規制、「海島法」の公布・施行はいずれも日本の危機感を深めており、中日は国家海洋戦略の発展に向け互いに競争している、と指摘。
林教授によると、日本はすでに03年7月に30億円を投じて排他的経済水域付近で海底資源エネルギー調査を実施した。かつての「小地域、試験調査」が「大地域、全面調査」へと拡大したことは、海底資源を積極的に開発するという日本政府の政策的決心を示している。
日本が実施しようとする「海底資源エネルギー確保戦略」が、中日の東中国海上での駆け引きに影響を及ぼすのは間違いない。
「比較して、中国の東中国海地域での資源開発はまだ伝統的な石油・ガス資源の開発にとどまっており、海底の希少金属などの資源の開発には至っておらず、総合的な戦略的政策もない」。さらに中国海洋石油総公司研究センターの研究員は、中国は東中国海には「天外天」と「平湖」、「春暁」の3つのガス田しか持っておらず、釣魚島も日本の実質的な支配下にあると指摘する。