パレスチナとイスラエルの間接和平交渉の開始からすでに半月が経った。大荒れだった交渉開始前と比べると、現在はだいぶ落ち着いた雰囲気を取り戻している。だが、表面化では地下水脈が依然滔滔と流れており、開始間もない間接和平交渉は突如決裂する危険性を抱えたままだ。米メディアは最近、ユダヤ人の一部がオバマ米大統領の呼びかけを無視して、アラブ人居住区である東エルサレムへの入植を拡大し続けており、最終的には東エルサレムのユダヤ人入植地とヨルダン川西岸のユダヤ人入植地の統合を企図していると報じた。
エルサレム問題はパレスチナとイスラエルの抱える最大の爆弾の1つだ。1967年以降、20万人近いユダヤ人がアラブ人居住区を含む東エルサレムに入植した。東エルサレムでのユダヤ人入植地の建設は、パレスチナとイスラエルの和平交渉における大きな障害となっているだけでなく、米国とイスラエルの外交摩擦の焦点ともなっている。米国は全力を尽くして、パレスチナとイスラエルをついに間接和平交渉に導いたが、開始間もないその歩みは心もとない限りだ。
交渉の開始は容易でなかったが、その継続はさらに難しい。特に難しいのは、信頼の蓄積と共通認識の拡大だ。しかも、これまで築き上げてきた交渉の土台は、それがどんなものであれ、たった1つの火花で崩壊するおそれがある。オバマ大統領は先日、パレスチナとイスラエルの双方に対し、真剣に交渉に取り組み、できるだけ早く直接交渉へ移行するよう再度促すとともに、「信用を破壊する」いかなる行動もとらないよう警告した。これには間接和平交渉を「開始」から「継続」へと向かわせる意図がある。
「人民網日本語版」2010年5月24日