「日米の懸案」といわれる米軍普天間基地の移設問題がどうにか目鼻がついた。自ら定めた「5月末決着」の期限が間近に迫まる中、鳩山首相は仕方なく地方政府と連立政権を超えて、米国と共同文書に調印することを決定。
しかしこの解決案は決して新しいものとは言えない。鳩山首相が当初、豪気に承諾した「県外か国外に移設させる」のとは全く異なり、2006年に自民党が米国と合意した最初の案に限りなく近い。一巡りして半年ほど大騒ぎしたが、普天間移設問題は竜頭蛇尾、またスタトラインに戻ってしまった。
メディアが揶揄する「失った半年」に、内閣支持率も8割から2割に下落した。鳩山首相はこの移設問題で国民の支持を失くし、連立内閣の矛盾も激化している。もしこの数日後に鳩山首相が首相の座から降りても、それは決して驚くべきことではない。
承諾を裏切った首相に怒り
日米間の普天間移設問題はひとまず調整に入ったが、日本国内の普天間移設問題の解決にはまだほど遠い。鳩山首相は引き続いて地元の人たちの理解や支持を求めて沖縄を再訪したが、結局また壁に突き当たってしまった。
仲井真知事は同案について「非常に残念だ」と述べ、もし名護市辺野古に基地を移設しなければならないのであればそれは「とても難しい」と鳩山首相に告げている。
「鳩山首相が辞任しなければ解決できない」
鳩山首相を悩ませているのは地方自治体だけではない。連立政権の社民党は、普天間移設問題に関する日米政府の外務・防衛担当4閣僚(2プラス2)の共同声明に反対を表明。野党もこの数日、日米が間もなく結ぶ共同文書が「誠実ではない協議」だとして、「鳩山首相が辞任しなければ問題の解決はできない」と指摘し、鳩山首相に集中攻撃を浴びせかけている。
あるアナリストはこう話す。「普天間問題で鳩山首相は孤立状態に陥った。問題の処理は優柔不断で、解決案は言行が一致せず、今後、政治責任を問われることは避けられない。そのため日本は今、再び首相交代の秒読みに入ったと言えるだろう。それに民主党にも累を及ぼし、7月に行われる参議院選は相当厳しい見通しだ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年5月25日