(張歴歴 外交学院・外交学学部教授)
韓国の済州島で5月29日から30日にかけて開催された第3回中日韓首脳会談では、広い範囲でコンセンサスや合意に達し、協力は単独で努力するよりもよく、メカニズムの構築は随意的な発展よりもいいという今の国家間の関係を十分に反映したものだった。
第二次世界大戦、特に冷戦後は、近代的民族・主権国家からなる国際関係には、これまでない深刻な変化が発生し、把握しがたい規律に則って動いている。国家間の関係はグローバル化や地域化の推進とともに、かつてのように単純な基準で総括することはできない。そして今の国家関係は様々なレベルや地域の特徴を呈しており、国家間の利益も複雑で入り混じっている。
このような変化の趨勢の中で、国際協力の経験は私たちに、単独で努力するよりは協力したほうがいいということを教えてくれる。地域協力は特に重要だ。国が発展する過程で外国や当地域の国々との協力は、さらなる社会や経済の水準、人々の生活のレベルアップに有利であり、協力することで長所を取り入れ短所を補うこともでき、この地域の人たちの生活にも大きく影響する。当地域の各協力国は地理的にも近く、生活習慣や民族、文化も似通っており、歴史的な交流も長いために協力はより簡便だ。そのため今の国際社会においては地域的な協力が非常に盛んに行われている。
国際的な協力の歴史と経験からは、協力過程でのメカニズムの構築は、随意的な発展よりいいことが分かる。地域的な国際協力を長く持続させようとするならば、メカニズムを構築しなければならない。それはメカニズムがあってこそ従うべき規則を手にすることができるからだ。地域的な国際協力は、国情の違いや言語、文化の差異を乗り越える必要があるが、制度の構築と制約がなければ国際協力は必ず随意的に発展してしまい、持続的な発展や永続は難しい。
多くの成果があった今回の中日韓首脳会議で、最も注目を浴びたのが、2011年に韓国に3カ国協力の事務局を設置するという取り決めだろう。この取り決めにより中日韓の協力は、これから制度化構築の路線に乗ると見られており、今回の重要な成果の一つである。
この中日韓首脳会談の推進のもと、3カ国の協力はさらに加速することだろう。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年6月2日