「文明間の対話と調和世界」がテーマの国際シンポジウムが12、13の両日に北京で開かれた。開放的で率直な雰囲気の中、中国、ロシア、インド、米国、英国、オーストリア、カナダ、イタリア、フランスの9カ国から著名な専門家や学者100人近くが集まり、「文明間の対話と調和世界の時代的意義」「ポスト危機時代の国際構造と世界秩序」「多元文化の調和共存」「中華文明とスラブ文明の交流・対話」など9つの大きな議題について、思う存分に発言し、交流し、切磋琢磨して、多くの共通認識にいたった。
出席者らは「複雑で変化に富む国際情勢や世界金融危機・気候変動・環境危機などかつてない厳しい試練を前に、各国の人々は全人類の文明の発展と進歩という高みに立ち、異なる文明間、異なる宗教間、国と国の文化間の対話・交流の強化を通じて、互いの溝を埋め、偏見を捨て、理解を深め、共栄を求め、平和で調和ある世界の構築のために貢献すべきだ」との共通の願いを表明した。
国際フォーラム「文明間の対話」の発起人の1人で、91歳という高齢のインドの哲学者・未来学者カプル氏は総括発言で「多極化世界の構築だけでは不十分だ。各文明間にはいずれもその発展の法則と連続性がある。現在は、文明間の対話を通じて多様性ある国際文化秩序を構築することが一層求められている。結局は、文明間の対話と文化交流こそが人類社会の発展と進歩の鍵を握る要素なのだ」と強調した。
各文明間の対等な対話を追求することが各国の人々にとって重要な課題となっており、「文明の衝突論」は「文明の対話論」に座を譲るべきだ----。この点で多くの出席者は認識が一致する。彼らは「各文化・文明に大小の別はない。互いに対等に接し、対話の中で理解を深めるべきだ。『強い』文明は特に、自らの意志を他の文明に押し付けるべきではない。経済グローバル化は文明間の対話を進める中で実現し、文化の多元的発展の促進に寄与するものであるべきだ」と指摘した。
ロシアの元副首相で著名な法学者のセルゲイ・シャフライ氏は「科学技術と教育の視点から文明間の対話を捉えるべきだ。知識経済への過渡期において国際社会は文化覇権主義の出現を防ぐべく注意すべきだ」と指摘した。
「人民網日本語版」2010年7月16日