第1に、南中国海情勢が平和で安定しているのか、それとも緊張しているのかを見る必要がある。今日の討論で、多くの人は情勢は平和だと述べた。私とASEAN諸国などの国々との2国間会談でも、現在は地域の平和・安定を脅かすいかなる事態も生じていないとみなが述べた。
第2に、南中国海問題は中国とASEAN間の問題なのだろうか?答はノーだ。中国とASEANの一部の国との間には領土や海洋権益をめぐる係争があるが、これはわれわれが隣国同士だからだ。これらの国々がASEAN加盟国であることを理由に、これを中国とASEANの係争と呼ぶことはできない。領有権を主張していないASEANの国々は中国側に、自分達は係争国ではなく、隊列に加わるつもりはない、2国間協議で解決してほしい、と言っている。
第3に、南中国海問題における域内諸国の共通認識とは何か?それは友好的な話し合いによって平和的に係争を解決し、南中国海の平和・安定や善隣友好を守ることだ。「南中国海における各国の行動宣言」(DOC)の精神とは、自制を保ち、南中国海問題を国際化・多国間化させないことだ。現在すでに当事国間でこの問題を話し合うためのチャンネルが存在し、かつスムーズであるという事実を無視してはならない。
第4に、「南中国海問題における各国の行動宣言」の働きとは何か?それは関係国間の相互信頼を強化し、係争の最終解決に向けてプラスの条件や良好な雰囲気を整えることだ。中国はASEAN諸国と「南中国海問題における各国の行動宣言」を発表し、合同作業部会の会議も開いている。条件が熟した時には、高官会議も開催可能だ。