文=中国国際経済交流センター研究部 逯新紅 張永軍
先日中日両国政府筋の統計部門が公表した今年度第二四半期の国内総生産(GDP)最新データによると、中国は、日本を追い抜いて世界第二の経済体となった。目下のところ、このニュースは、国内外のメディアから広く報道・評論されている。
さらにイギリス国家経済・社会研究所のような一部の国際機構は、現段階での中米のGDPの成長速度予測によれば、2019年以降中国の経済規模は米国を超え、中国が世界第一の経済体となると予測している。筆者はこの点につき、我々は中国のGDPが日本を超えたことの意義を決して盲目的に誇張してはならず、より一層冷静な認識を保たねばならない、と考えている。
まず、現時点での中国経済の「家底(=もとは家庭の財産、ここでは国の資本を指す)」は、日本の豊かさには遠く及ばない。確かにGDPは一つの国家の経済総量を測る重要な指標ではあるが、二つの家庭(=国)の裕福さを比較する場合には、当期の収入のみではなく、それぞれの家庭の資産規模もみなければならない。中国と日本の「家底」の間には、なお大きな隔たりがあり、この指標の上で米国に追いつき追い越すまでの道のりはさらに長い。
次に、中国のGDPは日本を追い抜いたとはいっても、中国の人口規模の大きさが、総量の上で日本を追い抜いて世界第二の経済体となるのを牽引した重要な要因の一つであることを看過することはできない。国民一人当たりの平均GDPという観点から分析すれば、現時点での中国の国民一人当たりのGDPは、米国や日本の十分の一にも満たない。
さらに、現在の我が国の国民総生産(GNP)の国民一人当たり平均も比較的低い水準にあり、米国や日本の遥か後方にある。米国と日本の国民一人当たりのGNPは、それぞれ47240米ドル、37870米ドルであり、世界17位及び32位に位置する。しかし、中国の国民一人当たりのGNPは3620米ドルに過ぎず、124位である。