特区の建設は好機を捉えて、能動的に改革開放を行うことだ。トウ小平氏の南部視察時の講話は単に好機を捉えるだけではなく、他人の冷たい目と包囲の中で改革開放を推進し、好機を創出することだった。
中国の実力が高まるに伴い、世界では少なからぬ人々が中国に対して疑念を深め、さらには恐れを抱いてすらいる。中国を封じ込め、包囲し、中国に面倒をかけねばならないと考える者もいる。彼らは中国の発展が自らの覇権的地位に影響することを恐れているのだ。だが現在のこうした国際環境も、当時と比べれば全く大したことはない。
われわれは覇権主義を牽制する方法を真剣に研究する必要がある。さらにこうした敵意ある封じ込めを打破する方法を研究するとともに、戦術調整によって矛先をかわし、戦略的好機の期間を延ばす必要がある。風波に出くわしたからといって、故意にわれわれを怒らせ、言い掛かりをつけて困らせる者に出くわしたからといって、自らの目標を忘れることがあってはならない。
中国の国益の譲れぬ一線を越えようと企むやり方に対しては、われわれは警告を与えねばならない。これは中国の地位・安全・安定を守るために必須だ。だが対応の仕方は、道理があり、有益で、節度あるものであるべきだ。感情で動いてはならない。
今日の中国はもはや、簡単に包囲される中国ではない。中国は門戸を開けて世界へ向かっており、世界に影響を与える新たな過程に入っている。そしてこの過程は、中国が能動的に戦略的好機の期間を創出する過程なのだ。矛先をかわし、対立を緩和する方法を見出すには、より柔軟な外交に加え、国家の目標に対して国民が明確な認識を持つことも必要だ。
「人民網日本語版」2010年8月31日