第3は、電子システムだ。日本の航空機搭載のアクティブ・フェイズド・アレイ・レーダー(APAR)は世界の先端を行く。中国はこの分野で差を付けられているが、一体化電子システムの設計と整合性の面では差はない。中国はデジタル電送技術を掌握しているが、日本はまだ掌握していない。
第4は、動力システムだ。中国は先進的なターボファンエンジンを自力で設計・製造できるが、日本は相応する能力は持たない。
上述の分析から、中国の優位性は完ぺきな航空工業システムを備え、システムの整合能力も強いということが分かる。一方、日本は基礎工業力が厚く、とくに電子工業の基礎が厚いことで航空電子の面で優位性を持つ。だが、日本のソフト設計技術は中国より遅れており、航空機を自力開発する能力はない。
資料写真:日本のH2ロケット
航空技術上、日本のH2ロケットは中国が現在使用している長征ロケットより先進的である。だが、中国はロケットの信頼性と宇宙観測・制御、有人飛行で日本をリードしている。日本は衛星技術で優位性があり、この面で日本の電子工業の基礎は厚く、一方、中国は西側の技術的制限を受けている。だが、中国の衛星の応用は日本よりずっと幅広い。総体的に言えば、中国は日本をややリードしている。中国は新世代のロケットに成功すれば、全面的に日本を追い抜こすことになるだろう。