国営の新華社通信の発行する雑誌『半月談』2010年第9期より 文=王嵎生
18年前のクリントンにせよ、10年前のブッシュにせよ、また現在のオバマにせよ、彼らは皆一貫して「アジア版NATO(北大西洋条約機構)」構築構想を抱いてきた。米日韓の「鉄の三国連盟」及び、南北に伸びる米日豪の「鉄竿連盟」を固め、これを基点に台湾海峡及びASEAN(東南アジア諸国連合)を経てインドまで伸ばした線で、中国に対抗し、更に関係国家をコントロールする「第一列島線」を構築するという妄想だ。これは米国の国際戦略における「重要直線」であり、時に姿を現し、時に姿を隠しながら、まるで幽霊のようにアジア太平洋地域を徘徊している。
オバマ大統領は、その就任後間もない時期に、「外交新政」の名目で、米国は「同盟国」のみならず「新しいパートナー」を必要としていると表明、中米関係は世界で「最も重要な二国間関係」であるとしていた。しかし、その後1年も経たないうちに「天安号沈没事件」や「黄海問題」等の機会を利用し、度々中国を非難している。
米国を悩ませる四大衝突
米国がここまでアジア事情に介入する最も根本的な要因は、東アジア国家の「連合による強大化」や中国台頭の流れは、米国が世界問題を主導する上で邪魔になり、互いに衝突関係にあることである。
まず、中国がその総合的国力の急速な発展により、ASEANとの関係を緊密化、「自由貿易地域」を構築した。中日韓三国協力体制も順調で、二国間関係も継続的に改善と発展を遂げている。米国はこれが気に食わない。世界のボスは機嫌を損ねてしまったのだ。
第二に、去年の政権交代後、米国に対し「平等的同盟関係」を提示した日本は「最も活力ある」アジアの一員として、自らが東洋文明と西洋文明との「架け橋」としての役割を担うこと、更に「東アジア共同体」の戦略構想を打ち出している。米国にとっては実に耐え難い状況である。