二国を敵に回せば日本は重圧に耐えられない
メドベージェフ大統領が訪中した9月末、中露両国の元首は2つの共同声明を採択している。「国家の主権、統一、領土問題など両国の中核となる利益に関してはお互いにサポートし合う」ことが明確に表明されたことは、日本のメディアを震え上がらせるのに充分であった。沖縄大学人文学部の劉剛教授は現地メディアに対し、「中露といった大国の協力体制は日本に対する威嚇に他ならない」と語っている。
日本の国内世論では以前から、領土問題および制海権に関して、日本は韓国および南中国海の周辺諸国と共同戦線を張り、中国に対抗すべきだという意見が出されていた。だが、あまりにもの強気の姿勢により、思いもかけず、前からも後ろからも敵にはさまれるという境遇に陥ってしまった。日本のメディアは、釣魚島沖漁船衝突事件により中国との関係が著しく悪化するだけでなく、ロシアとの関係までこじれてしまえば、日本はその重圧に耐えられない、と危惧している。
釣魚島沖漁船衝突事件の処理において、菅直人政権は今、国内世論の大きな矢面に立たされている。政府のやり方に野党は批判を繰り返し、国会で菅直人政府の責任を追及するとまで表明している。国民および一部の民主党内の意見としては、政府はすべての行為に対しその旨を明確にすべきだというものが一般的である。逮捕するからにはその理由があるべきだし、釈放するからにはなぜ釈放するのか明確にしなければならない。
海外メディアも菅直人政権が進退極まっており、先見性に欠け、複雑な情勢に対応する能力に欠けると失望の意見を表している。上海国際関係研究所日本研究室の呉寄南主任は「世界ニュース報」の取材に対し、「民主党が政権を握ってから少ししか経っていません。釣魚島などの領土問題にどう対応するかはまだまだ勉強中の身なのです」と答えている。
第二次世界大戦の罪過が日本に自信を喪失させる