先ほど、ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領が北方領土である国後・択捉島への上陸・視察を計画していることを明らかにした。注目すべきは、メドベージェフ大統領のこの表明が、訪中直後に出されたものだということである。この時はまだ、釣魚島沖漁船衝突事件による余波のさなかにあった。
大国であるロシアおよび中国との領有権をめぐって、2つ同時に論争が高まっており、民主党政権は応対しきれない様子である。このようなことになったのは、日本が近年において、領土問題において諸国に強気の姿勢を見せていることが原因とされている。
強気の姿勢を崩さず 近隣諸国を刺激
ロシアのドミトリー・メドベージェフ大統領が北方領土である国後・択捉島への上陸・視察を計画していることが伝えられた後、日本国内では国民の怒りが沸騰していた。釣魚島沖漁船衝突事件により大きく関係が悪化した中日関係を如何に修復するべきかをきちんと考えるヒマもないうちに、日本とロシアをめぐる北方領土についての議論が高まっていったのである。菅直人首相は10月4日、アジア欧州会議(ASEM)首脳会議において中国の温家宝総理との会談を果たした。菅直人首相は、中国との関係を改善したいとの意向は示したものの、あくまでも「尖閣諸島(釣魚島)は日本の領土」という姿勢は崩さなかった。
日本と領有権問題を抱えているのはロシア、中国だけではない。韓国も竹島(韓国名:独島)をめぐって日本とその領有権を争っており、両国間の信頼関係は著しく損なわれている。
北方領土、釣魚島、竹島はそれぞれ日本の北、南、中間の3方面に分布している。日本がロシア、中国、韓国と、島の領有権を争う歴史はずいぶん前から続いているが、複数の領有権問題が同時に取り沙汰されるのは珍しいことである。アナリストによると、近年において日本が隣国と領有権をめぐって争議が続いているのは、自国の領有権を主張する日本の強気の態度と、南・北へ向けた管轄海域の拡大戦略の理念によるものから来ている。
二国を敵に回せば日本は重圧に耐えられない