司会者:オバマ大統領がC-130輸送機の中国向け輸出の解禁を求める文書を上・下両院に提出しましたが、これにはどのような意図があるのでしょう?米国側がC-130輸送機を売るというならば、中国側は購入するのでしょうか?C-130輸送機を中国が購入するとすれば、その用途はどういったものでしょうか?
宋暁軍氏:オバマ大統領がこの度中国向け輸出の解禁を上・下両院に求めたのは、C-130軍用輸送機の民間型で、油田から漏れた原油の処理に使われるものです。オバマ大統領がこの度C-130輸送機を中国に輸出することを認めたのには、米中摩擦を改善しようとするジェスチャーの意味が多分に含まれています。人民元切り上げを求める米国と、それを拒否する中国の対立が続き、人民元をめぐる「通貨戦争」が激化しています。オバマ大統領と上院議院を含むオバマ政権は、人民元切り上げを求め、中国に対しほぼケンカ腰の態度におよんでいます。この「通貨戦争」最中の米中関係を修復するために、オバマ大統領はこの度の友好的な態度を示す小さなジェスチャーを示しているだけです。そのため、そうした動きそのものに重要な意義はないでしょう。
中国がC-130輸送機をどのように用いるかは問題ではないのです。「通貨戦争」において、米国が中国に威圧しているのに対し、それを受け入れるつもりがなければ、中国はC-130輸送機を購入する意思を示さないほうがよいでしょう。