司会者:オバマ大統領の要求が米議会で通過すれば、1989年以降初めて、軍事用ハイテク兵器の中国向け輸出が行われようとする訳ですが、中米軍事交流にとって、どのような意味があるのでしょうか?米国は今後も、中国向けの軍事兵器の輸出を認めていくのでしょうか?
宋暁軍氏:米中軍事交流そのものに大した意義はないのです。なぜなら、米国が台湾向けに兵器を輸出していることが主に米中の軍事交流を妨げとなっているからです。
この度のオバマ大統領の決定は、まるで米国人が貧困者への施しを行うのと同じです。今回、出して見せたのは「ハイテク兵器」のほんの一部で、しかもそのC-130は「ハイテク兵器」とはいえ、数十年前から使われている相当古い型の輸送機です。同型の輸送機の中では相当高い性能を持ち、他に秀でたものだと言えますが、こうした中型のプロペラの中型輸送機は中国でもすでに開発されているのです。そのため、米中軍事交流にとって大きな意義をもたらす訳ではありません。
司会者:米国は今後も、中国向けの軍事兵器の輸出を認めていくのでしょうか?兵器の輸出の目的とは?
宋暁軍氏:部品の輸出や技術の売却といったことは、今後もあるかと思います。例えば、宇宙開発における材料技術などです。だが、米国も欧州諸国も同じですが、民間用製品に関しては、中国が開発を終えそうになると、何らかのルートで企業にその技術を売りつけようとするのが一般的なやり方になってきています。そうすることで、中国が独自に開発し技術革新することを阻止しているのです。
そのため、今後、米国や欧州諸国が、ハイテク製品の中国向け輸出を解禁したとしても、中国はぬかよろこびしてはならないのです。これは2面性のある策略なのです。一つは政治上、中国に対し寛容な態度を示すこと。もう一つは、中国の産業レベルが上がり自主イノベーション力、自主開発力を持とうとするのを阻止しようとする意味を含んでいるのです。そのため、こうした2つの面からこの問題を見て行かなければなりません。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月12日