ノーベル氏は遺言の中で、ノルウェー議会選挙の5人のノルウェー人がノルウェー委員会の委員になり、平和賞の評価・選定と授与を担当するよう要求した。しかしノルウェー議会はノーベル賞の評判に目をつけ、各党派に取り計らってノルウェー委員会の委員の地位を直接与え、議会の上位5大政党は1党につき1議席、5大ベテラン政治ブローカーが議席を獲得した。このように議席を与えたことで、ノーベル平和賞は実質上「ノルウェー議会賞」となった。
ノルウェー委員会のメンバーにはもう一つの特徴があり、多くがノルウェー政界の古株政治ブローカーで、思想と理念、価値観が東西対抗の冷戦時代を作り出し、政治の色眼鏡で世界を観察するようになることは火を見るより明らかだ。彼らは、ノーベル氏の平和賞を用いて平和理念を推し進めるという望みに背き、現在の世界構造の変化、特に中国のような新興国の急速な発展に対し深い偏見を抱いている。このようなメンバーで組織されたノルウェー委員会がノーベル平和賞を決定すれば、イデオロギー的な色合いが濃くなるのは避けられない。
21年前にノルウェー・ノーベル委員会が平和賞をダライ・ラマに授与した際、当時の主席はこれを機会に中国に影響を与える考えを隠さずに述べた。今回の拘束中の劉暁波氏への授与でも同様の説明があった。ここ数年、一部の中国を敵視する西側の政治家や専門家、非政府間組織(NGO)は精力的にノルウェー・ノーベル委員会に影響を与えているが、一部のノーベル委員会の委員は自身が担っている責任をよくわかっているはずだ。彼らは互いに呼応し、呼吸を合わせている。ロシア「RIAノーボスチ」の政治評論家は今年の平和賞について、「ノーベル平和賞はこの上なく政治化されており、賞の決定者の選択と判断は西側の一部の国の態度によって決まる。平和賞発表後の一部の西側の政治家の態度を見ればわかる。彼らは『中国への影響』という点において驚くほど一致している」と語る。
ノーベル賞の実際の運営に独立性がないため、ノーベル平和賞は一部の西側の政治家の手中に収まり、政治目的の誤った道において歩けば歩くほど遠くなるという状態になっている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年10月19日