ロシア科学アカデミー「世界経済・国際関係研究所」のMikheyev副所長は人民日報の取材に「国際通貨基金(IMF)の出資比率は国際経済構造の現状を反映すべきだ。新興市場経済体は世界で最も経済的活力を備えた地域であるだけでなく、重要な消費市場でもあり、国際経済構造での力を高め続けている。だが国際金融機関での発言力や投票権の強化は後れている」「IMFは出資比率と投票権を調整したが、依然17%以上の出資比率の米国が重大な決定における事実上の否決権を握っている。これは国際金融機関改革が依然限定的なものであることを示している。各国はより公正で合理的な方向へ引き続き推進していく必要がある」と表明した。
■中国への圧力は無責任
メキシコ国立自治大学社会政策研究センターのルイス・ゴメス主任は人民日報の取材に「グローバル経済の回復は先行きが不明だ。米欧の多くの先進国は経済成長の原動力が足りず、景気刺激策の効果も不明で、手の打ちようがない中、人民元相場の問題で中国に圧力をかけているが、これは全く無責任だ。米国は、グローバル産業分業および自国の経済構造の矛盾によりもたらされた米中貿易の不均衡の問題を、全て人民元相場のせいにするのは間違っているということを認識すべきだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による新たな量的緩和策は、他の発展途上国の通貨が次々に『上昇させられる』事態を招く。これは典型的な『金融覇権』行為であり、世界中で保護貿易主義を助長し、国際的な政治・経済摩擦を招き、連携して危機を克服しようとしてきたこれまでの世界の努力を損ない、最終的には経済回復にマイナスとなるに違いない」と述べた。
「人民網日本語版」2010年11月12日