今回の20カ国・地域首脳会議(G20サミット)で、中国の立場や役割は開幕前から外国メディアの注目を集めていた。G20サミットの開催期間中、中国の記者は中国の最新動向について、外国の記者から何度も質問を受け、外国メディアの情報源とさえなっていた。サミットの終了後、外国メディアの記者数人を取材したところ、サミットの報道において、中国はなくてはならないキーワードであり、議論の焦点にもなっていることが分かった。中国紙、広州日報が伝えた。
サミットの報道センターで外国メディアの記者に取材したところ、21世紀に入って相次ぐ国際的せめぎ合いのほとんどが米国と中国をめぐるものである、との認識で一致していた。米国の力が弱まる一方、国際社会における中国の発言権がますます強まっている。こうした背景のもと、欧米各国の首脳の間にも、中国に歩み寄りを示し、今回のサミットを和やかで団結したものにしようと努める動きがみられた。
英紙「中国の目標は現実的」
英フィナンシャル・タイムズ紙の記者クリス・ギリス氏は、今回のサミットで折り合いが付かなかった問題もあるが、米国は2012年に大統領選挙を控えているため、この2年間でより実質的な会談に乗り出すとみられる、と指摘。また、次期G20サミットの議長国フランスも各種議題の解決に取り組むだろう、との見方を示した。
中国は実力の向上に伴い、国際問題における発言権が強まり、一段と強硬な姿勢を打ち出しているようだ、と語るギリス氏。記事の中で、中国は現実的な目標を掲げており、一歩も譲らない姿勢を鮮明にしていると指摘、サミットの交渉において重要な位置付けにあるとした。「発展途上国を含め、いずれの国にもボトムラインがある」----。
ロイター「中国の声が支持を獲得」
ロイター通信の記者アレックス・リチャードソン氏は、今回のサミットで米国の目標が達成されなかったことから、米国の影響力が弱まっていることがうかがえる。「事実として、今回のサミットで、オバマ米大統領に救いの手を差し伸べようとする国は一つもなかった」----。
一方、中国は影響力を拡大しつつある。今回のサミットでは、通貨安競争の回避や国際通貨基金(IMF)が改善を警告する仕組みの構築などで合意したが、米国が目指す「より思い切った政策」には程遠いものとなった。その主な原因として、中国の反対がある。今回のサミットで、中国の声は国際社会から幅広い支持を得た。欧米各国の首脳は中国に“善意のシグナル”を送り続け、経済、外交、安全保障などさまざまな議題で、中国に歩み寄る姿勢を示しつつある。中国もこれらの国との連携において、考え方や方針の転換をはかるとみられる。