中国兵に化けた「大陸挺進隊」の隊員たち
第二次世界大戦中、中国の戦場で日本陸軍は謎に包まれた部隊を編成していた。隊員は皆、流暢な中国語を話し、中国軍の号令や指揮方式にも精通していた。彼らは中国の陣営に紛れ込んでは、奇襲をかけたり暗殺を行なったりスパイ行為を働いていた。中国軍に紛れ込んでいる時は中国の軍服や平服などを着用し、武器も中国軍と同じものを使用していたので、区別をつけるのは非常に難しく、中国軍にとっては大きな脅威だった。
彼らは日本軍の諜報訓練機関が特別に編成した「変装部隊」である。陸軍中野学校の卒業生が中心で、特殊な訓練を受けている。陸軍中野学校は日本軍が設立し、スパイの養成に特化した学校である。大抵の学生は高学歴の持ち主で、入学した途端に過激な軍国主義を刷り込まれる。そして、敵国の軍人や庶民の生活がどのようなものか教え込まれる。訓練課程において、日本語の使用は禁止され、自分が潜入する敵国の言葉で話さなくてはいけなかった。中国に潜入する者は、卒業演習として中国で研修を行なう必要があったそうだ。中国人と一つ屋根の下で過ごし、正体がバレなければ合格と見なされ、卒業することができた。