日本が歴史を無視し、侵略を美化するやり方は隣国の感情を傷つけ、アジアの国々は一斉に日本に非難の集中砲火を浴びせた。反ファシズム同盟国であり日本との戦争の歴史を持つ米国は、これに対しては態度がちぐはぐである。一方では中国や韓国などのアジア諸国に対し理解があるように示し、一方では日本の歴史教科書問題には口を出さないと言っている。「人民日報」のニュースサイト「人民網」が伝えた。
太平洋戦争では、米国も多大なダメージを受けている。それにもかかわらず、今は知らん顔でアジア諸国の猛烈な反発とは相反する態度を取っている。米国はなぜこんなに煮え切らないのかと問わずにはいられない。
もちろんその原因は単純ではない。第一に米国の国民はあの頃の日本がアジアで犯した残虐な行為の数々を、そこまでよく知らないのだ。米国と日本は戦争をしていたが、米国本土に大きな傷跡は残っていない。米国国民の心に深く残っている「真珠湾攻撃」でさえ、大陸から遠く離れたハワイで起こったことだ。米国人はアジアの人たちと違って、日本の軍国主義の残虐さにそこまで苦しんだ記憶はないのだ。
第二に、日本は経済力を利用し、財団法人を通して米国の日本研究を援助するなど、様々な方法を使って、必死に日本の表の顔を仕立て上げてきた。公の宣伝に関して言えば、メディアでも政府でも、「あれは過去の事であり、今の米日は戦略的パートナーである」と強調している。このような「ポジティブ」ムードのおかげで、米国国民の日本への感情は穏やかなものである。
第三に、当時、米国が広島と長崎に原爆を投下したことに関しては、国民でも専門家の間でも、核を使う必要があったのかについて、未だに止まない議論がある。日本との戦争における被害は小さくなかったが、多くの米国人は、日本は十分過ぎるほどの報いは受けていると思っている。良心の呵責に囚われている人も少なくないのだ。