ステルス戦闘機はずっと米国やロシアのように昔から空軍が強かった国の「専売特許」だったが、今後はこの陣列に新しいメンバーが加わるかもしれない。米誌「WIRED」電子版は、中国が米国とロシアのスタイルを併せもつ新型ステルス戦闘機を開発している可能性が高いと伝えた。
▽総体的には米空軍に大きく後れを取る
ネット上に流れる中国第5世代戦闘機「殲20」
昨年のクリスマスシーズン、中国のインターネット掲示板に、はっきりとしない戦闘機の写真が現れ、うわさされていた中国のステルス戦闘機「殲20(J20)」ではないかとの憶測が飛び交った。
同誌は、殲20に関するうわさが事実であれば、中国空軍のレベルが大きく高まったことを意味すると報じたものの、同戦闘機の開発では西側と中国との差は歴然としていると明言した。ゲイツ米国防長官は、中国はステルス戦闘機の開発に取り組んでいるだろうが、2020年までに第5世代戦闘機を完成するのは不可能だとし、その時には米国はすでに「F-22」や「F-35」といったより多くのステルス戦闘機を有していると語った。
▽中国になぜステルス戦闘機が必要なのか?
ゲイツ長官のこの発言後、F-35計画は延期となった一方、中国はステルス戦闘機の開発ペースを速めた。もしネット上の写真が事実なら、殲20はすでに青写真の段階に入っているということだが、同戦闘機の開発には特定の法則があるため「パニックになる必要はない」と同誌は伝える。
米国は90年代にすでに、最初のステルス戦闘機の試作機「YF-22」と「YF-23」の初フライトに成功しているが、中国の殲20はいまだに空を飛んでいない。すでに大量生産されているF-22より15年の後れをとっている。さらに中国がハイテク技術を応用するには品質問題などを解決する必要がある。数の上で殲20が太平洋の軍事力の均衡に影響を与える規模になるにはあと10年かそれ以上はかかるだろう。
軍事専門家によると、ここ10年、地対空誘導弾「ペトリオット」や「S-300」、海上配備型迎撃ミサイル「SM-3」といった防空装備の性能が次々と改良されるとともに、アジア太平洋地域で軍備拡張の動向が広がっている。こうした圧力を背景に、各軍事強国ではステルス戦闘機の必要に迫られている。急成長している大国、中国も多くの課題を抱えてはいるが、その例外ではない。
数十年の技術と経験の蓄積により中国の航空産業は世界が目を見張る成果をあげた。「殲10」、「殲11B」、「梟龍(FC-1)」、「飛豹(JH-7)」といった新型戦闘機には独特の設計スタイルと理念が体現されている。こうしたことから、中国空軍が将来的にステルス性のある殲20を有すると信じている人にはそれなりの理由があり、単なるうわさとはいいきれない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月7日