ロシアの北大西洋条約機構(NATO)常駐のドミトリー・ロゴジン氏はNATO本部で1月26日、メディアに対し、NATOはロシアと連携し、イランの核施設が昨年11月にコンピューターウイルス「スタクスネット」の攻撃を受けたことについて調査を行うべきだ、との考えを明らかにした。
「ネットミサイル」が出撃
「スタクスネット」は工業制御システム対象のエビルなウイルス
米紙ニューヨーク・タイムズは匿名希望の米国とイスラエルの情報担当者の話を引用し、イラン核施設がネット襲撃されたことに関し、「米国とイスラエルが協力して実施した機密の行動だ」と報じた。さらに、「ネットミサイル」がイラン核施設内の遠心分離機に精確に命中するよう保証するため、米国・イスラエル両国のコンピューター専門家がイスラエルのネゲブ砂漠にあるディモナ核基地で「スタクスネット」の実験を行ったと伝えた。
ネット兵器が登場
米国が開発したサイバー兵器はすでに2千種に達した
あるメディアは、見るところ、イスラエルと米国はイランのいわゆる軍事的脅威に対しては本物の鉄砲と実弾だけに限定することはせず、ネット兵器もすでに登場させたと指摘。コンピューター専門家は、ウイルス「スタクスネット」を世界初のネット兵器だと称している。ある報道によれば、米軍が開発したネット兵器は2千種以上に達しており、その「弾薬」にはワームやトロイの木馬といったウイルスが含まれる。
米国と敵対状態にあるイランは、軍事演習を高らかに叫んでいるほか、ネット戦場でもいささか気を緩めることはない。イランは1月23日、インターネットを利用した破壊活動を防止するため、新たに「サイバー警察」を発足させた。別の報道によれば、イランはすでに先進的なネット兵器と攻撃手段を把握し、一定程度のネット監視とハッカー技術を有しており、仮想敵のホームページと基盤施設へのサイバー攻撃を発動する能力を持っている。
アナリストは、ロゴジン氏がNATOとロシアが連携してイラン核施設へのサイバー攻撃について調査することを呼びかけたこの提案から、ネット戦争が暗中の布陣から次第に公開された競争になりつつあることが見て取れると話す。今後、「ネット兵器」や「ネット戦争」といった言葉が絶えず人びとの視野に現れてくるかも知れない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年1月30日