米軍は8日、「国家軍事戦略」を発表した。これまで軍事戦略の重点はアフガニスタンに傾いていたが、7年ぶりに内容の変更された今回は他の地域における戦略的試練への注視と対応を打ち出している。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
■戦略の重点が変化
国家軍事戦略は米統合参謀本部の策定する、「国防戦略」と「国家安全保障戦略」の遂行における具体的指導文書。法律の規定により2年に1回発表されるが、毎回内容が更新されるわけではない。内容の変更は2004年以来だ。
AP通信は04年版と比較すると今回はイラクとアフガニスタンという2つの戦場への比重が下がり、「サイバー戦」とアジア太平洋地域が米軍の注視する新たな戦略上の重点になったと分析する。
新版はアフガニスタンやパキスタンとの協力を再確認し、過激派に打撃を与えることの重要性を引き続き強調。「我々は過激派の脅威を過小評価していた。アフガニスタンとイラクの過激派による持続的対抗が米国民に与える圧力を過小評価していた」としている。
だがマレン統合参謀本部議長はブログで「(新版国家軍事)戦略は過激派への継続的対応を明確にすると同時に、有効な軍事的手段によって他の勢力に対抗する必要性も強調している」と述べている。