日本籍解放軍が振り返る八路軍への航空理論授業

日本籍解放軍が振り返る八路軍への航空理論授業。 新生中国共産党東北空軍航校は様々な困難に直面していた。中でも最大の難関が、学員達の文化的レベルの低さだった。日本人教員たちは知恵を絞って、様々な奥深い内容を噛み砕きながらのデモンストレーションを通して、それまでは教科書でしか学べなかった航空基礎理論を学員達にマスターさせた…

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発信時間: 2011-04-07 16:02:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日増しに効果を上げた教学法

この方法が功を奏した。この日、日本人教員の塚本好司は教室に入り、気化器の実物を教壇に置いた。そして、黒板には丁寧にその図を立てかけた。1ヶ月以上見てもよく分からなかったその図を見て難しい表情になる学員達に対し、彼は少し得意げにこう言った。「大丈夫、私が理解させますから。」

学員達の少しほっとした様子を見て、塚本教員はまるで手品でも始めるかのように、準備してあった煙草に火をつけて大きく吸い込み、ゆっくりと身をかがめ、口いっぱいの煙を気化器の穴の中に吹き込んだ。その瞬間、濃い煙が気化器でただ一つ塞がれていない穴の中から出てきた。学員達のくもった表情は一気に晴れやかになり、とび跳ねながらこう言った。「分かった、分かった!油路の構造が分かったぞ!」

学員達と同じく興奮した塚本教員も、日本人教員特有のつつましさや厳粛さを忘れ、笑顔で学員達と抱き合い、煙吹き合戦を始めた。

まさに「水増せば船高し」で、実物教学を通して、選りすぐりのエリート学員達は、天へと通じる階段とも言うべきコツをつかみ、その目と耳で感覚を養い、説明を聞いて理解し、すぐに覚えられるようになった。教員たちもまたその実物教学の中でだんだんと教え方のコツをつかみ、効果的な授業を展開できるようになっていった。こうして、もともとは「教えても無駄」な状態でやる気をなくしていた日本人教員たちもだんだんとやる気を取り戻していったのである。

その教学効果は絶大なものだった。教えるほどにやる気がわき起こり、我々日本人教員はどうしたことか、「興奮剤」でも服用したかのように日夜を問わず教学に没頭した。午前中は授業、午後は実習と訓練指導、夜は教材の翻訳や授業の準備、教案作成…教員宿舎の明かりはいつも夜遅くまで灯り続け、時には次の日まで消えないこともあった。

(朱新春作『樱花啊,樱花(さくらよ、さくら)』人民出版社2010年7月第一版より抜粋)

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年4月7日

 

 

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