中国経済の波及力は無論、市場の大きさや、比較的強い競争力、総合的実力の強化のみによるものではない。より重要な要因は、これほど大きな国が政治的安定を保ち得ていることにある。中国の経済的繁栄と周辺国経済への牽引作用は、その政治的安定を切り離せない。一部の地域で激しい政治的・経済的動揺が生じている中、中国が安定を保つことは中国人民にとって幸福だし、世界にとってはなおさらに幸福だ。世界・地域経済に対して中国が代替不能な重要な役割を果たしていることは間違いない。
世界経済秩序のガバナンスと改革は現在正念場にある。世界経済が今後より安定的に成長できるかどうかは、新興市場国のガバナンスと改革への参与、そしてどれほど大きな役割を発揮できるかに大きくかかっている。新興市場国中最大の人口を抱え、経済成長のより速い一員として、中国は重要な責任を担っている。
西側の一部の人間は、中国がBRICS間の協調に尽力するのは西側と張り合うためだと見ている。彼らは中国の発展戦略を読み誤っているか、偏見を持って中国や世界の発展を見ているかのいずれかだ。では尋ねるが、中国のような新興市場国の発展と参与なしに、世界経済は安定と持続可能な成長を維持できるのか?
中国は発展途上国だ。この位置づけが急速な発展によって変化することはない。このため中国の役割はリーダーになることではないし、ましてやいずれかの先進国に取って代わろうとすることではない。実際BRICS諸国は他の構成国との一層の協力においてのみ、そしてより多くの途上国をBRICSの一員へと導くことによってのみ、その輝きを放つことができるのだ。中国も例外ではない。中国の責任と役割は、BRICSとさらに多くの途上国との協力・協調を推進し、南南協力の紐帯を一層強化した上で、「現代的メカニズムの合理的な方向への発展を促す」建設的パワーを共同で形成することにある。
13億の人口を擁す発展途上の大国が穏健な足並みで世界の舞台の中央に向かうことは、必然的に国際政治・経済秩序の変化に影響を与える。また、国際政治・経済の将来の安定的発展も、より多くのBRICS諸国や新興市場国の明確なメッセージを必要としている。
「人民網日本語版」2011年4月15日