だが、いわゆる「中国脅威論」を宣伝する人々は、多くの事実を意識的または無意識的に見落としているようだ。まず、中国の1人当たりGDPは依然世界100位以下で、経済構造、貧富の格差、民生改善など各面で巨大な試練を抱えている。また、近年中国は確かに急速な発展を遂げたが、これは決して他国の犠牲に成り立つものではない。その反対に中国は世界のGDP成長に対する貢献率がすでに20%を超えており、世界経済の成長に対して世界最大の牽引力を発揮している。さらに重要なことに、中国の指導者は「中国は終始変わらず平和発展路線を歩み、防御的な国防政策を遂行する。軍拡競争は行わず、どの国に対しても軍事的脅威にならず、永遠に覇権を唱えず、永遠に拡張を行わない」と、様々な場で繰り返し言明している。
いわゆる「中国脅威論」とは一体どういう事なのか?文化面から見ると、中国伝統の「己の欲せざる所、人に施す勿れ」と反対に、西洋人は「己の欲する所、人に施せ」を信じている。このため力の増大は必然的に拡張を意味する、というのが彼らの基本的ロジックだ。台頭中の大国はいずれも世界覇権を求め、既存の世界秩序を変えようとする、というのが彼らの考えだ。このほか「ごく一部の政治屋は中国の発展を攻撃し、根も葉も無い『巨大な脅威』を作り上げることで、中国の現在の良好な発展基調に水を差し、欧米の意向に従って発展するよう強要している」と考えるアナリストもいる。
経済のグローバル化が加速するに伴い、世界は日増しに結びつきを強めている。人類はすでにグローバル化の時代に入っているのだ。現代の世界では、1つの小さな動きが全体に影響を及ぼすと言っていい。われわれが考えるべきは、誰が誰にとっての脅威なのかではなく、地球というこの大きなふるさとで、いかにしてより良く共存していくかだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2011年4月21日