J-10
まず、 梟竜FC-1の性能がJ-10戦闘機に劣るという説は検討の余地があるという見方が、現在広く受け入れられている。性能という点から見て、両機はほとんど変わらず、いずれも軽量対地攻撃機として設計されたものである。両者の違いは、梟竜FC-1が輸出用でありコストを抑えるため比較的低レベルの技術装備を採用しているのに対し、J-10は中国空軍の現在の自家用機としてコスト面での制限が少なく、技術レベルも比較的高い点である。しかし、両機を米軍の同タイプの装備F-16戦闘機と比較すれば、J-10と 梟竜FC-1の技術的差異がそれほど大きくない事が分かる。それは、自家用機であるJ-10の技術レベルが、その資金に支えられているのに対し、輸出品である 梟竜FC-1は実際の生産技術基準がもともと高く、更に海外軍に装備された後も国際的な先進技術を獲得しやすく、全面的な改造やバージョンアップを行うことができるからである。そのため、中国は短期間ではJ-10に対し大掛かりな改造やバージョンアップができないのに対し、 梟竜FC-1は初期的な基本装備として海外で装備された後、短期間で大掛かりな改良やバージョンアップを受けることになり、その性能はすぐにJ-10に追いつき、追い越すことになる。この点からも、中国空軍が仮に 梟竜FC-1を選んだとしても、それは戦闘能力全体の後退にはならないのである。