更に、両機は機体サイズにおいて大きな差はない。中国空軍はすでにSu-27タイプの長距離大型戦闘機を配備しており、しばらくはそれほど多くの襲撃任務が無い状況においては、小型戦闘機のもともと短い航続距離は、問題にならない。一方で、将来的にパキスタン空軍の主力装備となる梟竜FC-1は、部隊に配置後、すぐに実戦に用いられることは間違いない。そのため、実戦経験や保守性から見ても、武器装備としてのタイプや搭載方案から見ても、梟竜FC-1がJ-10の前を行くことは明らかである。しかも、コストが高く、主要技術が長期的なボトルネックに差し掛かった、技術的にも最新とはいえないJ-10は、いつか必ず 梟竜FC-1のような価格性能比の高い装備に取って代わられることは目に見えている。
最後に、掲載文は次のように指摘している。 梟竜FC-1はJ-10に比べて優秀な戦闘機だが、それを大量に装備することは、中国空軍とってはやはり「仕方ない」選択と言える。それは、中国空軍が現在直面している問題が、どのタイプの戦闘機を装備するかということではなく、戦闘機のタイプは多いが、それらを連携した戦闘体系が形成できないということだからである。世界主要強国の空軍はほぼ全て大型戦闘機と小型戦闘機をセットで装備している。米軍はF-15戦闘機にF-16戦闘機を、ロシア軍はSu-27戦闘機にMiG-29戦闘機を組み合わせている。実力では中国に及ばないインドでさえ、ロシアに近い組合せ方式を採用している。しかし、中国は現段階において、自国で大規模生産が可能な、先進的性能を持つ第三世代の戦闘機は一台も無いのだ。個別の先進装備はそれぞれ単独で使用するしかなく、タイプの異なる戦闘機同士の連携的組合せなどは、全く無理な状態である。そのため、J-20のテスト飛行にせよ、噂されるその他の多くの新型戦闘機にせよ、中国空軍にとってみれば、空軍全体の整合やレベルアップには遠く及ばないものなのである。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年5月1日