◆3つの見どころ
今回の首脳会談は充実した内容で、協力の成果がかなり期待されている。共に関心の高い問題のほかに、次の3点が見どころとなっている。
その一、災害管理と原子力の安全性確保に向けた協力をめぐり協議され、協力強化がはかられる。これまで3カ国は貿易・投資の利便化をはじめ、物流・流通、自由貿易区、投資、税関制度など20以上の分野で実際の協力を行ってきた。今回の会談は東日本大震災後の開催ということで、災害管理と原子力の安全性確保に向けた協力が重要議題の一つになっている。災害に関する情報や政策、技術を共有し、自然災害に有効に対応することで、北東アジアにおける災害リスクと損失を削減していく考えだ。
その二、東アジア自由貿易圏構想が、今回の会談で現実にさらに一歩近づく可能性がある。
その三、協力関係強化の常設事務局設置。09年10月、第2回首脳会談で韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領が提案。それに基づき、中日韓3カ国の協力を拡大、強化するための常設事務局の設置が決定され、翌2010年5月に3カ国の外相が第3回首脳会談の期間中に常設事務局設置に関する覚書に署名、2011年までに事務局を発足することで合意した。同年12月には事務局設置に関する協定に署名。3カ国は積極的な態度を示しており、今回の首脳会談で事務局が誕生する可能性が高い。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2011年5月20日