ロシアのミハイル・ベールイ駐日大使は25日、韓国の国会議員が国後島を訪問した件について、「ロシアが領土問題でカードにすることはない」と述べた。
同日、国後島を訪問した韓国議員が独島(日本名・竹島)の主権を放棄するよう日本に求めた。韓国女性家族省の白喜英(ペク・ヒヨン)は独島を視察、日本側は抗議した。
◆ 「利用する必要ない」
ベールイ駐日大使は東京で開かれた記者会見で、韓国議員3人が24日、国後島を訪問したことは露日間の問題ではない。27日のフランスでの主要8カ国(G8)首脳会議の際に行われるメドベージェフ大統領と菅直人首相の露日首脳会談で、このことが話し合われることはない」と述べた。
「ロシアは韓国議員の訪問を利用するつもりはない。両国首脳がこの件について話し合うことはない」とし、「日本の新聞を見て、今回の訪問を知った。韓国議員の訪問については何も知らない」と語った。
さらにベールイ大使は「長引く露日の領土問題を解決するのに、第3国が介入する必要はないと信じている」とした。
韓国国会独島領土守護対策特別委員会の姜昌一(カン・チャンイル)委員長ら野党議員3人が24日午後、国後島を訪問し、ロシア政府が行っている空港や道路の建設現場などを視察した。北方領土に韓国議員が訪問したのは初めて。
国後島は千島列島の最南端に位置する。日本は国後島、色丹島、択捉島、歯舞諸島のことを「北方四島」或いは「北方領土」、ロシアは「南クリル諸島」と呼ぶ。両国が争っている島々は日本の北海道以北、ロシアのカムチャッカ半島以南の千島列島南部で、現在はロシアの実効支配下にある。
ベールイ大使は、姜委員長一行の訪問は、ロシアの経済パートナーが「南クリル諸島」への開発事業に興味を持っていることを意味するとし、日本側にも開発参加を呼びかけた。
これらの島々に対する主権が損なわれる可能性があることから、日本側はこの「要請」を受け入れていない。
◆日本側の主張 「筋が通らない」