バチカンでは、代々スイス人衛兵によってローマ法王庁の警備が行われている。スイス人衛兵の制服は一説にはミケランジェロのデザインとも言われるが、1914年に制定されたとものなのだという。スイス人衛兵たちは一応武器の携行はしているものの、本質的に儀仗兵である。
伝えられるところによると、1502年に法王ユリウス2世によって創設された衛兵組織が、1527年にローマがカール5世の軍隊によって侵攻されたときに、時の法王クレメンス7世の身を犠牲にして助けたのが、スイス人の衛兵だった。これゆえに、スイス人以外は衛兵にはなれない。
カトリック教会の総本山バチカンで、ローマ教皇を500年以上守り続けてきたスイス衛兵隊は今、スイス国内のカトリック教会から推薦されたカトリック信徒の男子が務めているという。