文=鳳凰網評論家 俞天任氏
民主党は09年8月末の第45回衆議院選挙に勝利し、党首の鳩山由紀夫氏が9月末に民主党内閣を結成した。こうして自民党の一党執政は終わりを告げ、日本は真の二大政党制を実現したかにみえた。
ところがそれから2年が経ち、今再び選挙が行われれば、おそらく自民党が再び長期にわたって政権を握ることになるだろう。有権者の記憶がなくならない限り、民主党が与党になることは二度とないだろう。
民主党は完璧に失敗した。どうして失敗したのか原因を探る。
◆戦略目標の欠如
強大だった日本帝国陸海軍
日本には「失敗学」という学問がある。さまざまな失敗の事例を研究して失敗に共通する原因を究明し、管理工程上に応用し失敗を防止する学問だ。
日本の失敗学研究のルーツは太平洋戦争の失敗にまで遡る。かつてあれほど強大だった陸海軍がたった3年半で壊滅した。日本人にはそれがどうしても納得できない。それでこの問題がずっと研究されてきた。管理学に導入されたのはその後のことだ。この学問が応用できるかは別にして、少なくとも民主党の問題に関しては非常に的を得た説明をしている。民主党の失敗を予言する声は当初からあったが、その説明に使われたのがこの失敗学だった。
日本の陸海軍の失敗の根源は戦略目的が不明確だったことにあった。旧陸軍省と旧海軍省の資料をすべて調べ上げた人によると、当時の日本軍部の太平洋戦争の目標について書かれた資料が見つからなかったという。勝利の定義がなければ、失敗は避けられない。
民主党が政権につくまでの戦略目標は「政権交代」、つまり与党になることだった。09年の勝利でこの目標が実現したが、次はどうするべきか、与党になって何をするかを知る人はいなかった。これが民主党の悲劇の根本原因だ。
民主党が政権をとるために見つけた理由は有権者に選択肢を提供すること。二大政党制でなければ選択肢が提供できないというのだ。当然、民主党も二大政党制は名前の違う2党が存在するだけでなく、区別がなければならないことは知っている。しかし戦略目標のない民主党が独自の特色を表現できるはずがない。最も簡単な方法は、自民党と反対のことをして独自性や自民党との違いを示すことだ。
◆民主党が党内でもめる理由