日米両政府は21日、4年ぶりとなる外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)を開いた。共通戦略目標(05―07年)が本格改定され、「地域の安全を不安定にしうる軍事力を一部の国が追求・配備しないよう促す」と強調した。
◇6年ぶりの改定
2プラス2の開催は07年5月以来で、米側はクリントン国務長官、ゲーツ国防長官、日本側から松本剛明外相、北沢俊美防衛相がそれぞれ出席した。共通戦略目標を本格的に改定したのは05年2月以来。
日米が共同で発表した新たな戦略目標は、防衛環境の変化を基に、共通戦略目標(05―07年)を改めて確認・更新したもの。20項目以上にのぼり、内容は日米協力、地域の安全および中国やロシア、インド、パキスタン、普天間基地移転、朝鮮半島情勢、アフガニスタン情勢などに及んだ。
◇日本の「常任理事国入り」への支持継続
日米協力については、米国が日本の安全を確保し、様々な各種突発事件への対処能力向上とともに、テロ対策、核廃絶、軍事力削減、人道主義救援、地域安全組織、エネルギー、宇宙、インターネットセキュリティなど数々の分野における協力強化が提示された。
また、日米両政府は朝鮮、イランの核問題で意見を同じくし、韓国とオーストラリアとの防衛協力を強化すると同時に、国連安保理改革をめぐっては米国が日本の「常任理事国入り」への支持を継続することで合意した。
両政府の軍事同盟が緊密であることを示すため、日米は90年代以降ほぼ毎年「2プラス2」(正式名・日米安全保障協議委員会)を開き、防衛分野の様々な議題について意見を交換してきた。しかし07年5月以降、このメカニズムが中断、今月21日にようやく再開した。民主党政権になってからは初めて。
◇声明抜粋 中国に3度言及