中国国務院発展研究センターのマクロ経済研究部は先ごろ発表した研究報告の中で次のように指摘した。改革開放以降、中国と世界各国の貿易交流はますます活発になっている。しかし、最も近い距離にある東アジアの隣国日韓両国と中国との間には、常に多くの貿易問題が存在しており、「中日韓自由貿易圏」の問題は、いまだに大きな進展がみられない。
5月22日に開催された中日韓3国サミット(首脳会議)は、自由貿易協定(FTA)締結交渉に関する官産学共同研究を2011年内に完成し、2012年の交渉スタートを目指すとともに、3国投資協定締結交渉を2011年内に完了するよう努力すると発表した。これは中日韓3国自由貿易圏の研究が予定より早く完成し、自由貿易圏構築のプロセスが一段と加速されることを意味している。
報告は次のように指摘した。中国、日本、韓国はアジアの非常に重要な経済体であり、グローバルな経済チェーンの中で大きな役割を果たしている。近年、世界の分業は一段と細分化され、中日韓3国間の貿易協力も日増しに深まっている。
現状をみると、中国は依然として発展途上国であり、韓国は新興工業国に属しているが、日本はいち早く先進国の仲間入りを果している。こうした隔たりにより、中韓日3国はそれぞれ産業チェーンのローエンド、ミドルエンド、ハイエンドに位置しており、経済貿易協力において一定の相互補完性を持つ。しかし、我々は発展水準の大きな開きが経済構造の大きな違いを必然的にもたらすことを回避することはできない。このための調整が各国の異なる社会集団の利益に深刻な影響を及ぼすのは必至で、社会の圧力と抵抗は推して知るべしである。