◇インドネシアの発展
経済的なインドネシアの高度成長は驚くべきものだ。世界銀行のデータによると、09年のインドネシアの国内総生産(GDP)は5400億ドルで世界18位、2010年のGDP成長率は6.1%、一人当たりのGDPは3005ドルで初めて3000ドルを上回った。一人当たりのGDPが3000ドルを上回ったのは東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国では5番目だが、世界で人口が4番目に多い大国がこの水準に達した意義は言うまでもない。
外交的にも、インドネシアは大国の姿を再び取り戻しつつある。5月のASEANサミットでは、インドネシア大統領がタイ、カンボジア、インドネシアの3カ国首脳会談を取り仕切った。3月、日本で巨大地震と津波が発生すると、直ちにASEAN・日本特別外相会議を開催。南中国海問題では、中国とASEANの衝突回避に向け、法的効力のある文書の調印を積極的に推し進めている。5月20日に開かれたASEANと中国の国防相の朝食会で、インドネシアの国防相は「ASEANと中国が頻繁に話し合いをすれば、南中国海問題は解決できると確信している」と述べた。