専門家は次のようにみている。日本が白書を使って「中国脅威論」を喧伝するのは目新しいことではないが、今年の白書で、日本はこの動きを一歩大きく推し進めた。白書の中の一部の言葉づかいは、中国としてはまったく受け入れられない。
中国現代国際関係研究院の王珊・研究員は、次のようにみている。「海上の脅威」は今年の白書を使った、「中国脅威論」誇張、宣揚の主要な内容である。例えば、南中国海問題で、日本は言葉をふりまくことによって、周辺諸国の「中国の脅威」意識をあおり、中国と南中国海周辺諸国の競争を激化させ、南中国海問題を一段と拡大しようと考えている。
白書はさらに、「高圧的」という表現を明確に打ち出した。中国社会科学院日本研究所の高洪・副所長はこう分析する。「高圧」とは、覇権を背景にした、一方の側からの制限や抑圧のことである。中国には日本、米国特に米日同盟に対する「強権」は存在せず、隣国と敵対する考えもない。こうした言い方はまったく無責任なものだ。
「昨年の船舶衝突事件後、釣魚島が『米日安保条約』の中に入れられたが、これこそ中国に対する『高圧的』姿勢にほかならない。日本の態度こそ居丈高だ」、中国社会科学院日本研究所の呂耀東研究員はこう述べた。
そして、中国は早くも2005年に白書「中国の平和的発展の道」を発表し、中国政府と中国人民による平和的発展の厳かな選択と約束を表明していると述べた。
「日本は一方で『中国の脅威』を誇張し、一方で中国艦艇による宮古海峡通過などいわゆる具体的事例を引いて、周辺海域における中国の軍事的プレゼンスへの不安を表そうとしている。中国の行動は国際法に違反していないのに、日本の『精神的不適応症』がよく現れている」、国際関係学院の楊伯江教授はこう述べた。