北京に到着したバイデン米副大統領
今年初めの胡錦濤国家主席の訪米成功以来、中米関係は全体的に良好な発展基調を維持している。現在バイデン米副大統領が習近平国家副主席の招待で22日までの日程で中国を公式訪問している。副大統領就任以来初の訪中であり、2011年の中米関係における山場でもある。新華社が伝えた。
アナリストは▽中米の頻繁なハイレベル相互訪問は、双方が共に両国関係の発展を強く重視し、相手への認識と、中米関係の発展に関する両国首脳間の重要な共通認識の深化を望んでいることを示している▽米債務危機その他在米中国資産の安全性に影響を与える問題、および台湾への武器売却など中国の核心的利益に関わる問題が双方の議論の重点となる----との認識で一致している。
■中米関係の戦略性を浮彫りにする頻繁なハイレベル相互訪問
「今年に入り、両国上層部は中米関係をさらに重視し、一層の力を注いでいる」。中国社会科学院米国研究所の倪峰副所長は「1、2カ月に1回のペースで重要な相互訪問が行われていることは、中米双方が共に両国関係における意思疎通強化の重要性を十分に認識していることを示すものだ」と指摘する。
今年1月に胡主席が訪米した際、両国首脳は相互尊重と相互利益に基づく協力パートナーシップの構築、戦略的相互信頼の強化について重要な共通認識にいたり、両国関係の発展に新たな1ページを開いた。
その後半年余りの間に、両国は第2回人文交流ハイレベル協議、第3回中米戦略・経済対話の開催に成功し、中米アジア太平洋協議も正式に始動した。ハイレベルおよび各レベルの頻繁な交流を継続し、経済・貿易・人・文化・エネルギー・環境保護分野の交流や協力を不断に推進し、重要な国際・地域問題で効果的な意思疎通や協調を維持した。
この間、陳炳徳・中国人民解放軍総参謀長とマレン米統合参謀本部議長が相次いで相互訪問し、いったん中断されていた中米軍事交流は「正常な軌道」へ戻り始めた。
■米大統領選前は意思疎通の重要な機会
来年米国は4年に1度の大統領選を迎える。下心ある政客やメディアは中国関連の問題を再び騒ぎ立てるだろう。米政府ナンバー2のバイデン副大統領の訪中は、儀礼的訪問を遥かに上回る意義を持つ。
中国現代国際関係研究院米国研究所の袁鵬所長は「バイデン氏は民主党の穏健リベラル派だ。今回の訪中は中米関係の積極的な発展の成果を打ち固め、米大統領選が中米関係にもたらしうる衝撃を和らげるうえでプラスだ。また、両国関係の長期戦略的安定を実現するための新たな契機となることも期待される」と指摘する。
袁所長は、米側は中米のパワーバランスの変化を前に、まだ当面の対中戦略を固めていないと考える。この点から言ってバイデン副大統領の訪中は戦略的意義を持つ。「中国の変化を目の当たりにし、中国上層部と顔をつきあわせたコミュニケーションを取ることで、バイデン副大統領、さらには米政府全体は、中国に対してより明確な認識を持つだろう」と袁所長は言う。
「人民網日本語版」2011年8月18日